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「お前バリかっこいい魔法やんけ何が『素敵な魔法を使える訳では無いので…』じゃぼけ!1番お前の魔法が凄いやん!!!!」
初めて会った時のようなあんな可愛い顔ではなく、正真正銘前世のネットで見た事のある迫力のあるブチギレ顔。
嗚呼…………こうやって子供は可愛くなくなっていくのか…………。
『まぁまぁ、ウツくんも落ち着いて。』
自分よりも少し小さい背のウツくんの頭を撫でながら落ち着かせる。
困り果てたエーミールの頭に手を伸ばし、ウツくんと同じように頭を撫でる。
『エーミールも自分のことを卑下しない。ウツくんもエーミールのことを責め立てない。』
『エーミールのその魔法はとても凄い、それはウツくんも強く共感してくれる筈。』
『エーミールはその魔法を他の人達に悪く言われたかもしれないけど、お前の魔法はとても凄いし、誇っていいんだよ。』
『自信を持てなかったエーミールに非は無いし、エーミールの魔法の凄さを自覚して欲しかったウツくんにも非は無いよ。』
『ただ、だからこそ強い言葉で相手を圧倒させちゃダメだし、自分のことを酷く言い過ぎちゃうのもダメ。………ね?』
ウツくんの顔からもエーミールの顔からも穴という穴から水分が垂れ散らかしていて、何となく、しんみりした空気になった。
「……………ごめん、えーみーる。」
「……私もすみませんでした…。」
『ん、いい子。』
2人の頭を軽くポンポン叩き、そろそろ水分補給しよう、と提案する。
「最近新しく茶葉を新調したんです、良ければ淹れますよ。」
『本当!?お願いしまーす!!!』
「エーミールの淹れる紅茶ってなんであんなに美味いん?なんか危ない薬とか入っとーやろほんま………。」
「誤解されるような事を言わないで下さい………。」
俺らは静かにグラウンドを後にした。
……………………………エーミールの魔法事件の元凶が俺だという事がバレてないヨッシャ危ねー!!!!!!!!!
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作者名:ぽむ | 作成日時:2024年3月7日 6時