【d】pure Liebe 【ra運営】 (ページ12)

今日:37 hit、昨日:6 hit、合計:703 hit

□ ページ12

’

『＿＿＿＿という俺の冒険があったのさ！！！』

「私あんな品のない言い方してませんからね！？！？」

『俺の中のイマジナリーエーミールがああだったぞ？』

「そもそもイマジナリーエーミールとは何ですか！？」

森に迷った後、適当に歩き回っていたらいつの間にかシュルケ家の裏庭に着いた。

メイドと使用人からはちょっと当たりが強い投げキッス(舌打ち)を貰い、後々帰ってきた両親は珍しく驚いていた。

自分の乗っていた馬車が壊れ、乗っていた息子(仮)が森に放り出された事を知っていたのか、本当に珍しく怪我は無いか聞かれた。

…………メイドや使用人はともかく、両親が仕組んだ計画では無かったことに内心酷く安心した。

それから何か変わったのかと聞かれれば特に変わったことはなく。

金曜日になるまでエーミールにオススメされた本や、魔法陣の効率化の実験等適当に暇を潰しながら過ごし、金曜日になった途端に急いで図書館に向かった。

エーミールを見つけるや否や、結局改良する事の出来なかった魔法陣を貼り、

『泥棒(スナッチ)！！』

代わりに新しく覚えた魔法でエーミールにイタズラした。

* A は泥棒(スナッチ) を繰り出した！！ ▼

* エーミールの本は奪われてしまった！！ ▼

「ぅえっ！？」

『……「女の子にはこの技を！会話でモテるモテ術100選」…………………』

「違いますからね！？返却された本を元に戻してるだけですからね！？」

なんやその目は！！！と少々砕かれた口調で怒られた。

………まだ何も言ってないじゃないか。

ぷりぷり怒っていながらも紅茶を出してくれるエーミールに礼を伝えた後、ゆっくりと俺の勇姿を話し始めた。

いつもはエーミールが話題提示を行っており、一方的に話自上手だとばかり思っていたが、どうやら聞き上手でもあるらしい。

ニコニコと頷きながら聞いてくれて、時には顔を青ざめたり、時には興奮しながら聞いてくれ、時には当時の様子を心配してくれるエーミールに、俺は思わず図書館ということを忘れて少々大きめな声で話してしまった。

………いや、本当に話しやすいんだって。マジで。