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道枝 side.
高校２年生にもなって恋をしたことがない俺は、
"好き" っていう感情がよく分からなかった。
よくドラマとか小説である、「この人の為なら何でもしたいと思える」とか…そんなの俺の人生で思うことあるのかなぁ、なんて呑気に考えてた。
でも、今感じているものが"好き"なら
好きっていうのは、すごく変な感情だと思う。
.
『あー、何してるんやろ俺…。』
あれから2週間くらい経って、夏休みも終盤に差し掛かった。
何故か俺は、1人で東京に来た。
しかも、今あのカフェにいる。
『Aちゃん…来ないかな…。』
そう、"好き"という感情は本当に変だ。
会える可能性なんて低いし他に用もないのに、会いたいがためにまた東京に行っちゃうくらいに変だ。
『いや、俺が変なだけか…(笑)』
でも、それくらい会いたかった。
あの笑顔をまた見たかった。
もしかしたら会えるかも、それで話せるかも…なんて期待をしてたけど、やっぱりそう上手くはいかないみたいで
席に着いてから30分以上待ってみてるけど、Aちゃんの姿は現れない。
『そりゃそうだよね、』
初めて好きになった人が一目惚れ同然で、しかも超人気アイドル。
俺ってほんとにばかやなぁ。
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作者名：pomu | 作成日時：2022年7月24日 21時
