放課後 木全翔也 ページ2
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｢やばい…明日までの課題教室に置いてきちゃった｣
学校の校門を出たところで忘れ物に気づいた。
一緒に帰る約束をしていた友達に、｢先帰ってて！｣とだけ告げて、私は校舎まで走って戻る。
部活終わりのこの時間帯は、もう既に日は傾きかけていて、廊下の窓から差し込んだ光が廊下を鮮やかに彩っていた。
息を切らしながら教室のドアに手をかけると、
教室には見覚えのある男の子がひとり。
教室の窓は全開に空いていて、きちんと結ばれていないカーテンが風に揺れる。
彼は、窓側の席に座って、時より空を見上げてはスケッチブックに鉛筆を走らせていた。
……そして、真っ黒な黒髪を揺らして振り返る。
｢……えっと、Aさん？｣
……木全くん。
｢あ、邪魔してごめんね！｣
忘れ物取りに来ただけ！と彼の横を通ると、彼のスケッチブックが目に入った。
｢わ、すごい上手……｣
思わずそう声が出てしまった。
そう言うと、驚いたように目を見開いた後、ふわりと微笑む木全くん。
｢木全くんって美術部なの？｣
｢うん｣
わたしは、彼の斜め後ろの席に腰かける。
そして彼が空をスケッチするのを眺めていた。
同じクラスだけど、話したこともなかったけれど、
この瞬間がなんだかとても心地よく感じた。
｢Aさん｣
｢あ、はい！｣
｢ちょっと見すぎ……｣
困ったように笑う木全くんの横顔を見た瞬間、
なんだか胸が締めつけられるような気持ちがした。
｢あ…お邪魔しちゃったね、ごめん｣
荷物をまとめて席を立つと、木全くんに｢待って｣と後ろから呼び止められる。
｢……明日も、よかったら来ない？｣
｢え、？｣
｢明日もここで待ってる｣
それだけ言って、彼はまたさっきの席に座ってスケッチブックを見つめ直す。
……明日も来ていいの？
彼からそんなふうに言ってもらえて、心のどこかで舞い上がってしまっている私がいる。
ばいばい、また明日
私もそれだけ告げて教室を飛び出す。
帰り道の足取りは信じられないほど軽やかだった。
あまりに明白で露骨な自分がおかしくて、にやにやしてしまう。
どうしよう、明日の放課後が楽しみで仕方がない。
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(2に続く)
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ゆか - リクエストで芸能人の瑠姫くんと付き合ってる設定で嫉妬&Kissされて押し倒されたいですww後、芸能人の翔也くんと付き合ってる設定で嫉妬されて壁ドン&Kissされたいですww (2021年5月27日 22時) (
レス) id: 4e419ef1ed (このIDを非表示/違反報告)
topa(プロフ) - また、お話が見れるの楽しみです。リクエストなんですが、けいごくんでアイドル設定で喧嘩するけど仲直りなお話が見たいです！！よろしくお願いします。 (2021年2月23日 8時) (レス) id: eaa1cd6714 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむこ(プロフ) - はるきんさん» コメントありがとうございます。２も宜しくお願いします！！ (2021年2月22日 21時) (レス) id: c76f719d3e (このIDを非表示/違反報告)
はるきん(プロフ) - お久しぶりです！またお話が始まるのとても嬉しいです！楽しみにしてますね！！ (2020年12月27日 21時) (レス) id: 5c5644c574 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽむこ | 作成日時：2020年12月26日 1時
