いのちゃんの悩み事（inar） (ページ14)

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優しいヒカ、鈍感な薮ページ14

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「おはよう」

「エッ、大貴、、？、」

「だ、大ちゃん、、大丈夫か、、？？」

あまりにいつもよりも早く来た俺に、知念は若干引いてるし、薮ちゃんは体調を心配してくれてる。

いつもなら、「俺だって早く来れる日もあるよッ！｣って突っ込むんだけど、今日はそんな元気もなくて、「大丈夫」とだけ2人に告げて、のそのそと楽屋の端の椅子に腰を下ろした。

いのちゃんの家を出てから、俺はどうすることもできず、結局お泊まりはしなかった。その後、特に俺からは連絡をしなかったら、向こうからも連絡はしてこなかった。次の日も、いのちゃんのことしか考えられなかったり、変に意識しすぎたせいで、一緒に飲んだ山田には、とうとう話せなかった。

お酒のおかげで、なんとか眠れはしたけど、みんなが言う、「太陽みたいな大ちゃん」は完全にどこかへ行ってしまっていた。

「なぁ、タピオカぁ～、これ食べるぅ～？」

「お、おい、ばか、ひかる！大ちゃんは、今！！」

そんな俺を気にして、いつも楽屋ではあんまり喋らないヒカが話しかけてくれる。

鈍感な薮ちゃんはそんなヒカの思惑に気づいてないけど。

「ヒ、ヒカ、、うん、、」

俺がそう言うと、ヒカが安心したように、ため息をついて、俺の頭を撫でてくれた。

ヒカが撫でてくれたからか、ヒカがくれたカントリーマアムが美味しかったからかは分からないけれど、俺の目からは涙がボロボロと零れてきた。

「、うぅ～！！ヒカぁ～！！」

俺が大泣きすると、ヒカは呆れたように笑ってくれた。

「お、おおおぉいぃ～、ひかる～、何してくれてんだよぉ～」

薮ちゃんは、本当に鈍感だから、多分何もわかってないけど。