クールな彼女とボク。3

98_独自の方法 ページ1

【あなた】

"はい、OKで〜す！"

延長戦も終わり、にぎやかな収録は幕を閉じた。


A「お疲れ様でした〜」

いつもはだらだらお菓子でも食べながら、梶さんと番組の反省会でもするんだけど、今日はそうもいかない。

荷物を手早くまとめ楽屋を出る。


小D「おっ、黒お疲れ〜もう帰るの？」

A「お疲れ様です、そうなんですよ」

小D「……あ、そうか」



少しの間があった後にポツリと呟いて私の目を見る小野さん。

小D「明日あれだもんな〜あれだよね、あれあれ」

A「？？？？」

小D「黒、横浜アリーナ初めてでしょ？」

A「ええ！？？」


まさか、小野さん明日のライブに出演すること知っている？ それとも試しているのかな？


A「何言ってるんですか、明日横浜アリーナ行きませんよ」

小D「またまた〜」ﾎﾟﾝﾎﾟﾝｯ


満面の笑みで私の肩を数回叩く。


小D「シークレットゲストなんだって？」

A「え…」

梶「黒、小野さん知ってるよ」

A「え？？」

小D「く〜ろ〜、俺知ってるよ？？」

A「小野さん…どこで…」

小D「独自の方法で情報ゲットしたの」


はははははっと小野さんの笑顔に少し恐怖を感じた。


A「ちょ、小野さん」

小D「大丈夫大丈夫、誰にも言ってないから！」

A「下野さんですか？」

小D「勿論下野くんにも聞いたんだけど、知らねぇよ！ の一択。あいつ全然言ってくんねぇの」

まず下野さんを疑ったこと、心の中で謝った。


梶「小野さんは観に来られるんですか？」

小D「いや〜行きたかったんだけどね、仕事あるんだよ」

A「そうなんですね…」

小D「黒、また誘ってくれ〜」

A「勿論です」


小D「じゃあ、チョコ饅頭はい」ﾎﾟﾝｯ

A「え…ありがとうございます」

この人チョコ饅頭どんだけ持ってんだ…



小D「ほら、早く帰りな。黒！ 明日！頑張れ！」

A「はい！ ありがとうございます！」

小D「勿論、梶くんもね」

梶「はい、頑張ります！」

99_いよいよ当日→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す