Starting over② (ページ48)

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楽屋に戻り衣装に着替えていた雪野だったが、しばらくすると舞台がはじまったのだろう。
ひらりと桜が流れ始めた。

楽屋のモニターで見ていたが、元々雪野が立つ予定であったセンターは空いたまま9人で踊っている。

雪野｢なんで.....｣

曲が終わり岩本がいつも通り挨拶をしようとしていた。

岩本｢本日は滝沢歌舞伎ZEROにご来場頂き誠にありがとうございます。

究極の和のエンターテインメントを求め続けた滝沢歌舞伎。

この新たな歴史の1ページにこうして僕たちの名前を刻むことができ、恐悦至極にございます。

我らSnowMan、
｢岩｣をも削る清流は
｢深｣い深い年月を刻み
澄み｢渡｣った泉へと流れて
｢亮」々たる荒波に立ち｢向かい｣
｢涼｣しげな｢蓮」の花が｢咲く｣ほどにその花びらは｢真」誇り｢雪｣のように降り積もるでしょう。

ただいま見ていただきましたひらりと桜のセンターは本日は｢雪｣のように舞う我らの大切な仲間である雪野Aが務める予定でした。

ですが願い叶わず本日はこのような形となりました。

しかし我らSnowManは10人でSnowManです。
最後までこの舞台を10人でやり遂げるとここに誓います。

長くなりましたが滝沢歌舞伎ZERO、新たな幕開けです。」

雪野「……っ……！やっぱり皆と.......一緒に...立ちたかったよ.....」

誰もいない楽屋に雪野の泣き声が響き渡る。

しかし、会場中が大きな拍手に包まれ雪野の名前を呼ぶ声が多く聞こえていたのであった。