昼想夜夢【黒×紫】

遠距離 ページ3

．




会えへん




会われへん









もう、1ヶ月くらい会ってない
あいつはちょくちょくスタジオで撮影とか
あるみたいやけど、俺はこんなにおったら
飽きるわってくらいに家で仕事。

ヒナの家は車で5分くらい。
会いに行こうと思えばすぐ会える。


けど、まあ、あかんやん？


元々電話とかするタイプちゃうし、
まあメンバーとのリモート会議で声も聞けるし、
最初のうちはなんとも思ってへんかってんけど
やっぱりなんか物足りひんなっていうか、
寂しいなって思って。





「ほなまた明日も、16時からやるしね〜」
「はいは〜い、また明日」
「お疲れ〜！」





リモート会議が終わり、画面上で
手振って、みんな抜けていく。


なんとなく

まだ抜けたらあかん気がして。






「…抜けへんの？」



『ん、まぁな』




もう、俺とヒナ以外は抜けてて
画面には2人しかおらん。
まぁ、かと言って電話と違って
顔見て話すのではまたちゃうくて
緊張するっていうか。






『なぁ、』
「ん？」
『…電話、してもいい？』
「……おん」
『……じゃ、切るわ』







画面を一切見ず電話しても
いいかと聞いたヒナは
俺の答えを聞いてにっこりと
笑って また後で、と切った。




「もしもし」
『あ、もしもし。』
「…」
『あ、ごめん、別に用があるわけじゃ』
「…や、うん。俺も電話したかったし」
『…そ、うなん？』
「…おん、」
『…ふははっ』
「…なんやねん、」
『緊張してんの？』
「……悪いか」
『や、久しぶりやもんな』




2人きりって、と呟いた声は
心なしか寂しそうやった。





「早く会いたい」
『……おん、俺も』
「会えたら、なにする？」
『え〜…ジム行きたいかな』
「…そこは俺とどっか行きたいとかじゃないの」
『あ、まあ…それありきやん』
「あ〜あ、俺傷ついた」
『ちゃうやん、ごめんやん…』
「あはは笑」





楽しい
リモート会議でも数時間喋ってたけど、
また３時間くらい、2人で電話してた。

ずっと家にあるから話すネタもないと
思ってたけど 余裕であったし
なんや分からんけどめっちゃ笑ったし


…余計会いたなったわ。






『…自粛期間終わったら、』
「うん？」
『…ヨコん家行く』



「…おん、来て。一緒にご飯食べてお風呂入ろ」



『お風呂は一人で入る』
「なんでや！！くっつきたいやん！」
『嫌や！』
「手出さへんから！」
『出さへんかった試しないやろ！！」




…なにをこんな恥ずかしいこと大声で
叫んでんのやろ。

おめでと→←いつか

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す