【刀語】本当のコトだったら（短編集）【真庭】 (ページ10)

今日:4 hit、昨日:8 hit、合計:11,529 hit

私の役割のページ10

(どこでしょねー)

川獺君に場所聞けばよかったと思いつつ、屋根の上からの探索。

(いた。)

同じように前方の屋根の上。

「ふっ、気づかれてしまったか」

(なんだか、カッコつけてる奴だなぁ。)

とりあえずその屋根の上にちょっとおおげさな飛躍。

「おっとー。その体でそこまで動けるか。さすが真庭にっ！？」

すぐに相手を肉追。

ふとももから短刀をぬき、相手の首に一直線♪
の、はずが。

鋭くかわされ、空を切る短刀。

まぁ当たり前だが。

「俺の話を最後まできけっ!」

気づくと忍びは屋根の下。

「俺は奈挫嘉忍軍第二頭領の…」

「うるさい。はやくでてって。」

忍の肩めがけて射ったはずの苦無が、少々かすっただけですんだようだ。

「ま、真庭の連中はみんな人の話を聞かないのかぁ！？」

短刀を真下に構え、自分の全体重を乗せる。否、落ちる。

彼はもう喋らないのか、静かに苦無を構える。

そこからは、接近戦。

私の短刀と相手の苦無の。

五秒ほど続けたや否や、彼の苦無はふっとんだ。というか、折れた。

「なっ…!!」

すかさずそこに、回し蹴りを叩き込む。

そうすると彼は倒れて、動けなくなったようだ。

「んなっ…俺の苦無が…」

「私の短刀はねぇ、毎日丹精こめて手入れしてるんだよっ」

自慢するように、ふってみせる。

「どう？あんたの体でこのこの切れ味試してみる？」

「うっうわあぁ！！」

「うるさいんだってば。」