【刀語】本当のコトだったら（短編集）【真庭】 (ページ6)

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出会い頭の　蟷螂ページ6

夕刻。

私は書類を両手にてくてくと鳳凰様のところに向かっていた。

曲がり角を曲がったところで。

「おっ、、」
「あわっ、、、」

「わ、Aっ」

私が後ろむきに倒れる前に、
彼はとっさに手をつかんだのです。

でも、私だって慌ててます。
ビックリしました。

だから、両手一杯の書類をあたかも花吹雪のように、

落としてしまったのでした。

「あ…帳簿がっ…!!」

「わっ、わるい。」

そういって手をはなす蟷螂。

「い、いえ。蟷螂さんはわるくないです。」

私は近くの書類から拾い始める。

「私こそ、前見てなくて。ごめんなさい。あと、ありがとうございます。」

「私こそ、すまなかったな。」

蟷螂も書類を拾い始めていた。

全部拾い終わって。

「本当にありがとうございました。」

「あ、ああ。ところで、どこにいこうとしていたんだ？」

「鳳凰さまのところですよ。」

「え？鳳凰殿は今さっき団子を食べに行くとかなんとか。」

「とにかく外出中だと思うぞ。」

ガーン。。。

「そ、そうなのですかぁ!?」

「じゃあ、事務所まで逆戻りですねぇ。。。」

私が回れ右をして、戻ろうとすると。

「あっ、待て。」

「？」

「ここまで一緒だったんだ、わたしも行こう。また誰かとぶつかるとあぶないしな。」

「わぁ。ありがとうございますぅ!」

彼は、拾っていた半分の書類を持って一緒に事務所まで帰ったのでした。

ちなみに、もうその頃には鳳凰は帰っていたとか、いないとか。

「我はいるぞ～。Aー。おーい・・・」