【刀語】本当のコトだったら（短編集）【真庭】 (ページ19)

今日:3 hit、昨日:8 hit、合計:11,528 hit

暇つぶしの　蝙蝠ページ19

「なにか面白いことないかなぁ」

あの侵入者のことから、人鳥君も帰ってきて、結界が元に戻った。
資料整理と依頼主の対応に当たる日々だ。

任務に出てもいいのだ。しかし、これを誰かがやらねば里もやっていけない。
任務に役立つ忍術もないし。

「A、A」
　
なんだ？そしてこの聞き覚えのない声は・・・。

そう思って振り返ると、その方向から苦無が飛んでくる。

「っ！」

とっさによけて、飛んできたであろう方向に自分のものを投げ返す。
距離を取ろうと後ろに飛ぶと、書類をいくつかひっくり返してしまった。
それに自分でも驚いて動きが鈍くなった。

と。

苦無で穴が二つ開いてしまった障子が高速で開けられ、それと同時に犯人が入ってくる。
普通の着物。長いストレートの髪。体格は男。手に持っているのは刃物。

これは・・・。

「誰ー！？」

実際には「だ」の時点でそれに肉薄されていたんだけどね！

顔を近付けられヤバイ、と思う。
しかし、こういう時のための鍛錬だ。

ちなみに、この時点でわたしはそいつと距離を取っていた。

瞬発力だけはある私だ。
畳を蹴り上げ、そいつの顎をかすめ、宙返りで後ろに下がった。

「手合わせしてほしいならいいのに。」

そいつがにたりと笑う。

「真庭蝙蝠君」

続くよ！蝙蝠くんの時は二本立ておおいね！