【刀語】本当のコトだったら（短編集）【真庭】 (ページ17)

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奥書院の　狂犬ページ17

「,,,そういうわけで」

私はいま狂犬姉さんと一緒にいる。

「このときの会議の書記録があるはずなんだけど、どうかしら。Aちゃん。」

「さがしてみまーす。」

そういって私は目を閉じた。

・・・・

日が直接は入らない、六畳ぐらいの一間。

そこには、そこかしこに積まれた紙紙紙。

とにかく、たくさんの書類がある。

私が目を開けて意識を集中させる。

途端に風などないのに、紙やそのたばが、パラパラと、うごきだす。

それらをあさっていくように。

何かぴんとくるものがあって、私はいった。

「あった。」

その目の色は、普段と違う。

・・・・

「ありましたー！これですよね。」

「そう！あたしが思ったよりも早かったわね」

差し出された文面をみて、狂犬は言う。

「それにしても本当に

　
　きれいな字

　ね。」

「えへへ。ありがとうございます」

唐突に、何かを察したように、狂犬は目を細めた。

「つかれる？」

「え、大丈夫ですよ、そんな」

「整理だってまだ不完全なんだろう？」

優しい口調で続ける。

「なかば無理やり押し込んだようなものだからね。

　まあ、しようにもできないかもしんないけどさ、

　ゆっくりでいいから、ね。」

「はいっ。わかりました！」

「自分を大切にしなよね。あたしの大好きなAちゃんを傷つけた奴は、容赦しない」

割とまじめにいわれて、少し照れる。

「はい！私も姉さんのこと、大好きです！」

がふっ。

抱きつかれた。

「もうっ、かわいいんだから！」

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蟷螂「なんだあれ。めっちゃ狂犬に代わってほしい。」

蝶々「蟷螂どの、口調が・・・」

蟷「ちょううらやましいのだが。」

蝶「(あんただいじょうぶか・・)」

狂犬「(みてるみてる・・どうだうらやましいか)」

蝶「まあ・・・」

蟷、蝶「(あの間に入ったら、どれだけ天国だろう・・)」