【刀語】本当のコトだったら（短編集）【真庭】 (ページ14)

今日:7 hit、昨日:8 hit、合計:11,532 hit

お茶会の　蜜蜂ページ14

「おわんないよ～」

さっきまであれで時間を大分使ってしまっていた。

今現在、もう昼すぎなのだ。

「うう…」

幸い、依頼者という名の客も来なかったみたいなので、書類整理だけで終わる。

だが、私の目の前には大量の書類。

これを。

整理。

しなきゃ。

なのだ

「あぅ～……」

「大変そうですね。」

「ん？、蜜蜂君。やっほ～。」

襖をあけて入って来たのは、蜜蜂君。

「どうかしたの？」

「いえ、前を通りかかったら、声が聞こえたもので。」

「え、やだ。はずかし…//」

「気にしてませんよ。」

相も変わらず目元が見えない蜜蜂君だったが、ほんのりと、笑っているのがわかった。

「そうだ、お茶でもどうですか？」

「この前いただいた物で、今入れるところなんです。」

「ほんと？嬉しい。ありがとう。」

急な予定潰しの事項が入って、私はうれしくなった。

「じゃあ、僕の部屋で待っててくださいね。」

「あ、入れるなら私が…」

「いえいえ、誘ったのは僕です。僕がいれますよ。」

「うん。じゃあ、お願いしよっかな。」

そういって、二人とも一旦別れる。

(そう言えば、蜜蜂君の部屋に入るのはじめてかも…)

ー間ー

「どうでしょう？」

「うん。とっても香ばしい感じ。すごく美味しい。」

本当に、そのお茶は美味だった。

香り高く、気品がある。
口に含むたび、ほろ苦いような感覚が舌にさわり、濃厚でありながらも爽やかな後味がとても感動的で。

ただの抹茶とは思えないほど、本当においしかった。

「そういっていただけて嬉しいです。」

こころなしか顔をあかくして蜜蜂は言う。

「蜜蜂君って、お茶淹れるの上手だったんだね。私も教わりたいぐらい。。。」

「いえいえ、Aさんほどではないですよ。この葉がよかったんです。」

「またまた、そんなぁ。。」

そんな談笑を楽しみ、私達の小さなお茶会は、夕方までつづいたそうな。

(書類整理がおわってねぇ！！)