ドンキホーテファミリーのコックさん！ (ページ23)

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ロー「ん...何だこれ、あま！」

『わたアメ雪だな.....
ロー、そこの島で一旦休憩しよう』

ロー「えっ？ついさっきしたよな...？」

ローの容赦の無い鋭い指摘にギクリとしながらも島に下りる。地面が白く、サラサラしていて気持ちが良い。

『ここからは危ないから移動は船にしようと思ってな』

ロー「船？船なんてどこにあるんだ？」

『無かったら造ればいいんだ。
ほら、向こうに大きな森が────

ある、と続けるはずだった言葉は目の前で崩れ落ちた森と共に消えた。

ロー「えっ！？森が一瞬で砂になった！」

『ロー、それは砂じゃなくて恐らくローストシュガーだな。HAHAHA...下りる島間違えた』

ローストシュガーを舐めてはしゃいでいるローを死んだ目で眺めながら近付いてくる気配に笑みを零した。...うん、もう笑うしかねぇ。

✱✱✱✱✱

【オーブンside】

オ「...ん？何だ、まだ残党がいたのか...？」

近々行われるお茶会に合わせ、島全体が砂糖で出来ているシュガー島へと材料調達に来ていた俺は、“砂糖樹(シュガーツリー)”を燃やして拓けた視界の端に人影があるのを確認して首を傾げた。
何故なら何年も前にこの島の島民は全滅させたはずだったからだ。

まあ残党にしろ旅人にしろ海賊にしろ、殺すことには変わり無いのでその人影に近付いて行く。
近付くにつれて輪郭がハッキリ見えて来たころ、ふと見覚えのある面差しだと感じて記憶に残る人物の顔と一人ずつ重ねて確認していく。するとその中でぴたりと一致したその人物は────･･･

オ「A.....さん？」

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Aさんと出会ったのは俺達がまだ８歳のころ。
万国(トットランド)が出来る前のことだった。

物資調達の為に寄った何の変哲もないのどかな島。
その島で腹ごしらえをしようとした際に香りにつられて入った小さなレストラン。そこで両親を手伝っていた少年...それがAさんだった。

『いらっしゃい！』

屈託の無い笑顔で笑うAさんと、カタクリの口を見て震え上がる客たち。その中の一人がAさんに「危ないからこちらへ来い」と声を掛ける。

その反応にも慣れてしまっていた俺達は、全員殺して適当に食材を頂戴するかと戦闘態勢を取ろうとしたその時、ホールに響いたAさんの一言に全員が言葉を失った。

『俺、人を見た目だけで判断する奴嫌いだなァ』

その強い意思の篭った瞳が頭から離れなかった。

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