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6 F ページ7

「今日のカラオケさ、俺の友達も来たいって言ってんだけど呼んでいい?」

いつも通り、学食で4人集まって食事をしていればニカがいきなりそんなことを言い始めた。

「いいよいいよ!俺は歓迎!」
「うん。俺も全然いいよ」

千賀も渉も二つ返事で了承してしまっていて、俺はどうすればいいのか分からなかった。
正直言えばこの間嫌な感じがしてから極力他の人に会いたくないと思ってしまっていた。

避けていても結局は赤ずきんを殺さなければいけないのには変わりはないけど。

「……いいよ」
「ありがとう!友達にも連絡しとく!」

ニカは早速スマホを取り出して友達に連絡しているようだ。
いや、大丈夫だろう。ニカの友達が赤ずきんだとは限らないし、きっと赤ずきんは女の子だ。
ニカが呼ぶのはきっと男。赤ずきんのはずがない。

「じゃあ4限終わったら門の前集合ね!」

ニカはそう言って次の授業の教室に向かってしまったを
大丈夫。きっと大丈夫だ。







「ねー、今日カラオケで酒飲めるかな」

楽しみだねーと千賀は呑気に喋り出す。

「いや、無理だろ。受付で年確されるし」
「それもそっかー」

渉と千賀は何歌うかとかそんなことを話しているけど俺はそれどころじゃなかった。
講義ももずっと上の空だった。

「ごめん!遅れた!」

そう言いながら走ってくるニカの後ろにいる人物を見て、俺は固まった。

この間ぶつかった奴。

ドクンドクンと心臓の脈が早くなっていく。
俺の嫌な予感は的中してしまったのだ。

……赤ずきんの生まれ変わり

「紹介するね!俺の友達!」
「どうも!無理言って来ちゃってすんません!俺、北山 宏光っていいます!よろしく!」

……誰が赤ずきんの生まれ変わりが女って言っただろうか。俺が勝手にそう思っていただけだった。

赤ずきんの生まれ変わりは男だった。
出会ってしまったのだ。出会いたくない相手に。
偶然ではなく必然。
俺がどんなに避けても必ず出会う運命だったであろう相手。

「……よろしく。」

俺は震えそうになる声を抑えながらニッコリと笑顔を張りつけた。

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やや子(プロフ) - またまた読み返してました。藤ヶ谷さん、みっくんをどうしていくんでしょうか…。みっくんに嫉妬とかしてほしいです!楽しみです。 (2021年9月15日 20時) (レス) id: 21deb2a54a (このIDを非表示/違反報告)
ぽんた(プロフ) - やや子さん» コメントありがとうございます!めっちゃ嬉しいです!!出会っちゃいました!!この後2人がどう変化していくか、是非見守ってやってください! (2021年8月1日 23時) (レス) id: 9c3dc41c13 (このIDを非表示/違反報告)
やや子(プロフ) - ぽんた様!度々すみません!みっくんの登場に胸が高鳴りました!ですが…出会ってしまったのですね…。この先が本当に本当に楽しみです。 (2021年7月24日 19時) (レス) id: 21deb2a54a (このIDを非表示/違反報告)
ぽんた(プロフ) - やや子さん» やや子さんコメントありがとうございます!表現力無さすぎマンなのでめちゃくちゃ嬉しいです……!!コメントたくさんいただけて本当に励みになってます!のんびり更新にはなると思いますが最後まで読んでいただけたら嬉しいです! (2021年7月23日 23時) (レス) id: 9c3dc41c13 (このIDを非表示/違反報告)
やや子(プロフ) - ぽんた様、本当に銀座カラーの狼藤ヶ谷くんに小説で会えるなんて夢みたいです!しかもその物語にはみっくんが登場なんて!ぽんた様の藤北小説愛は胸に響くものがあり、表現もとても大好きです!続きをゆっくりと心待ちにしております。 (2021年7月22日 22時) (レス) id: 21deb2a54a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽんた | 作成日時:2021年7月22日 0時

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