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私は羞恥心に苛まれながら、医務室へと連れていかれた。善法寺先輩は私達が入ってきたことに一瞬の驚きを見せ、直ぐに布団を何枚か用意してくれた。




「ねぇ、A__」


「やめて。何も言わないで。出ていって」




尾浜の心配そうな瞳から目を逸らす。今は顔を合わせられない。




「……すみません、善法寺先輩。あとはお願いします」




悲しさの含まれた声色に気兼ねするけども、家との約束は破れない。まだあの時の少年を見つけていないのに。

尾浜の気配が無くなったのを確認して、善法寺先輩を見る。きっとこの先輩には隠せないだろう。大きな猫目に捕らえられる。喉を上下させ、掛け布団を掴んだ。




「善法寺先輩……僕…いいえ、私は」


「A家の一人娘、A嬢ですね?」




突然恭しくなってしまった彼に準じて、『忍たまの3年生』という仮面を外す。




「…っ、えぇ。知っていたの?」


「少しばかり事情がありまして」




いつものように優しく微笑む彼の顔に、戸惑ってしまう。何だろうか、この違和感は。




「もしかしてだけれど、今4年生が全員いるの?」


「流石ですね」




立花先輩を筆頭に、屋根裏から降りてこられた先輩方は、頭を垂れていた。




「……顔を上げな…、上げてください。やっぱり、今までお世話になってきた先輩方の前では、忍たまの後輩であるAAでいたいです」


「そうか。……A、私たちは学園長先生のご指示で、お前の護衛をしていた」


「私が入学した当初からでしょうか?」




先輩方が頷く。

何となく、護衛がつけられているのは勘づいていた。ただそれが誰なのかは見当もつかなかったし、私自身も探ろうとはしていなかった。まさか1つしか年の変わらない先輩方がしてくれていたなんて。




「……私がこの学園に来た理由は不純なもので、性別を偽って、4年生になるまでその嘘がバレないことを条件に、無理やり入学させてもらいました。私はもう……」


「いや、退学する必要はない」




そう言い放った潮江先輩が、昨日よりも濃い隈を付けた目頭を抑える。




「尾浜には疑念を抱かれているが、……まぁ、アイツだからな。大丈夫だ」




尾浜に対する謎の信頼はどこから来ているんだか。私以外が潮江先輩の言葉に納得しているような雰囲気に、疎外感が生まれる。




「とにかく、今は寝た方がいい。顔色が悪いよ」


「…はい」




……後で尾浜に謝らないと。

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ポロ(プロフ) - 忍たまファンさん» ありがとうございます! (2022年9月10日 21時) (レス) id: 1dd39356a5 (このIDを非表示/違反報告)
忍たまファン - 続き頑張ってください!! 応援しています!! (2022年9月9日 18時) (レス) @page3 id: 46824efb5e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ポロ | 作成日時:2022年9月6日 10時

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