依頼の時間 ページ3
「アン、ドゥ、トロワ、アン、ドゥ、トロワ……」
気付いたら口ずさんでいるリズム
意味はない。頭から離れないのだ
仕方ない、今更忘れたいなど思うこともない
私は自分の冷たい右足を撫でる
見ていると無性に腹が立ってくる
しかしその苛立ちはすぐに虚しさに変わった
「いつも、かわらない…」
なにか熱中出来るものはないだろうか
私を心の底から夢中にさせてくれるもの
今までやったことのないもの
そこまで来て私は苦笑する
「そんなものあったら最初からしてるし」
バレエがあればよかった
バレエしかいらなかった
だから私は全てを失った
いつもより妄想が膨らみ、自身への嫌悪感が増す
「あー、やめやめっ……虚しいだけだもんね」
廊下の電話の音が響く
私がいかなければいけないのだろうか
皆忙しそうだし
仕方なく受話器を取る
大方親への仕事の依頼だろう
この年になって両親の仕事を知らないのは恥ずかしい事だが
私は両親が普段何をしているのか知らない
興味がなかったから
ま、向こうも私に教える気はないらしいのでいいけど
「Hello,may I have your name, please?」
「This is Karasuma Tadaomi.May I speak to Oishi (人1), please?」
発音は流暢なものだったが、どこか違和感を感じる。日本人か?
「私ですが、すみません日本語でお願いできますか?」
「貴方が大石Aさんですか…私は防衛省特務部の者です。突然で申し訳ありませんが貴方に頼みがある」
…唐突すぎるものの、防衛省特務部という言葉には興味がある
社会に弱い私でも、この機関が凄いのはなんとなくわかる
「それは今でなくてはいけませんか?」
「いや、こちら側としても電話一本で話を通すのは不本意です。
そこで、今から一週間以内で貴方と直接話がしたい」
私に事を頼む理由、事の重大さ、信憑性
どれも信頼できる情報はない
断るべきなのだろうけど、気になって仕方がない
「………事故で右脚を失った貴方にも良い話になると思います」
「何故それを……!!」
事故にあった事は世間に伏せている
義足の事はどうしてもおおっぴらにしたくなかったからだ
……で、電話の相手がこれを知っているのか
「いいでしょう、明後日、○○橋の前でお待ちしてます」
もう何も残っていないのだ
一か八かでやろうじゃないか
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ポラリス(プロフ) - あいpさん» ありがとうございます!! オチは……恋愛のオチならいずれはつけようかなぁ、とは思ってますが暫くは予定していません。多分最後の最後かも……。そういった場合はアンケートを取りますので!! (2015年11月15日 19時) (
レス) id: 1f6c13d42f (このIDを非表示/違反報告)
あいp - いつも面白いです！更新頑張ってください♪あの…これにオチってあるんでしょうか？ (2015年11月15日 18時) (レス) id: 831b6fcff9 (このIDを非表示/違反報告)
ポラリス(プロフ) - 桜雪さん» ありがとうございます!! 直しておきました!! ご指摘ありがとうございます!! (2015年9月28日 21時) (レス) id: 18f3601d57 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - あと、私もバレリーナ志望なのでとても共感できる場所があります！ (2015年9月27日 13時) (レス) id: 9471bf6ebf (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - こんにちは！この小説とても面白いです！あの、Msは苗字又フルネームにしかつけないんじゃなかったと思います！間違ってたらすみません！ (2015年9月27日 13時) (レス) id: 9471bf6ebf (このIDを非表示/違反報告)
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