4冊 さよならスターリースカイ ページ6
ガタンガタン…
「君はこの世界に満足しているかい?」
「ここの譚の少年もね、満足していなかった。」
「世界は回っていたが、彼自身は…
どうだっただろうね?」
_________________。
全てが上手く回らなくなった。
身体の疲れは精神にも回った。
錠剤を飲み込む快感を覚えた僕は、
薬の過剰摂取をするようになった。
「っ…はぁッ!!…足りないッ…!!まだッ」
自傷行為と薬の過剰摂取はとうとう
心臓の負担へと変わった。
動悸が早くなり、体力の消耗が早くなる。
眠りから覚めるのは、夜中。
悪い夢に魘されて飛び起きる毎日。
少しの躓きにも大きな不安を覚える。
「いっそこのまま消えようか。」
煮えきらない思いと、
妄想するだけの死後の世界。
つぶやく事は黒い言の葉だけ。
達観しすぎた思考は、
遂に体より先にイカれてしまった。
見るもの全てが灰色に見える。
美しいと思っていた物が全て汚く映る。
遂には体も追いついてしまった。
本当の終わりを悟った僕は、
こっそりと終電に乗って家を出た。
そしてたどり着いた路地裏で寝転がる。
冷たい地面に溶けるように、冷めていく。
目を閉じれば、もう覚めることは無い。
「やっと、死ぬんだな…。」
重くなる瞼に笑ってしまった。
もう、悪夢で飛び起きることは無い。
これでゆっくり眠れる。
ホワイトアウトした世界と、意識。
夏の匂いの残る8月の空だった。
__________________。
「彼の幸せアナタの幸せ、
何一つ同じものはないけれど
同じ目的、同じ世界を目指すのは当たり前。」
「だって、生きているなら幸せな方が
生きていくことは辛くないでしょう?」
ガタンガタン…ガガッ…ガタンガタン…
「彼もきっと幸せの向こう側で
待っているでしょうね。
それでは、またお待ちしております。」
少年はハッカ味のキャンディを噛み砕いた。
ガガッ…ガッ…。
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るな(プロフ) - ポラリスさん» いえいえ!これからの展開が楽しみです♪( ´▽`) 更新がんばってください! (2016年6月7日 23時) (レス) id: af0f9885a6 (このIDを非表示/違反報告)
ポラリス(プロフ) - るなさん 閲覧頂きありがとうございます!^^*これから少しづつ色々と繋がっていく予定です!楽しんで頂けたら嬉しい限りです^^*これからもよろしくお願いします! (2016年6月7日 23時) (レス) id: 1badba41ae (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - いつもお世話になってます。最新話すごいですね!話が繋がっているところが魅力だと思います!楽しんで解釈させていただきます(*^^*)失礼しました。 (2016年6月7日 23時) (レス) id: af0f9885a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ポラリス | 作成日時:2016年5月9日 16時