2.5冊 少年の見解 ページ4
ｶﾞﾀﾝｶﾞﾀﾝ…
｢おや、また来たのかい？｣
少年は煙草の煙を燻らせながら微笑む。
ｶﾞﾀﾝ…ｶﾞﾀﾝｶﾞﾀﾝ…
｢いいや？もちろん歓迎しているよ。｣
白い髪と白い肌が薄暗がりの中で
陶器のような光を放っていた。
｢それで、ご用向きは何かな？
何か用事があったんだろう？｣
星界鉄道の下は無数の星たちが一つ一つ
微々たる光でも輝いている。
｢…結末…先日の御伽噺か。｣
｢そうだね、結末と言うよりは…
目的地と言った方が理解し易いかも知れない。｣
そう言うと少年は火のついた煙草に
フッと息を吹きかけると跡形もなく消えた。
｢さ、まぁ座って。｣
乗客が対面して座ると少年は
肘掛に肘をついて薄く笑った。
｢…君は彼らの目的地、何処だと思う？｣
｢…想像出来ないかな、まぁそうか。｣
なら聞かないで欲しいものだ。
なんて乗客は苦笑いを浮かべた。
｢まず、月下灰病棟の男は
誰かの望むユートピアを魔法使いと契約して
作り上げ、そこへ自ら入っていった。｣
少年は昔話をするように
ゆっくりと言葉をつないでいく。
｢これが全てのプロローグさ。｣
ｶﾞﾀﾝｶﾞﾀﾝ…ｶﾞﾀﾝ…
｢狂愛劇の青年は大切な人から愛されるという
ユートピアを望み、消滅した。｣
定期的なリズムを刻みなが列車が揺れる。
｢夢番地と言うもう一つの世界、つまり
ユートピアへと彼らは向かい、その代償が
己の大切なものだった。って事さ。｣
ｶﾞﾀﾝ…ｶﾞﾀﾝｶﾞﾀﾝ…ｶﾞﾀｯ…ｶﾞｶﾞｯ…
«次はー、妖街ー、朧月商店街ー»
｢僕から言えるのはここまでだ。
後はアナタの想像にお任せするよ。｣
｢あの御伽噺はね、全て何処かへ繋がっているんだ｣
少年はヒントでも残すように言う。
繋がっている？何処かへって、何処？
｢僕は君たちが望めば何処へだって
連れていってあげるよ、世界の端でもね…。｣
｢それじゃあ、また次でお会いしましょう
またのご利用を。｣
そう言って少年は指を鳴らすと世界が反転した｡
そう。答えなんて、終わりなんて無いんだ。
これは、××の＿＿＿＿｡
｢僕の名前は＿＿＿＿だ…そうだよね、先生…｡｣
星空の線路を走るガラスの汽車は
闇の中へと消えていった。
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るな(プロフ) - ポラリスさん» いえいえ！これからの展開が楽しみです♪( ´▽｀) 更新がんばってください！ (2016年6月7日 23時) (
レス) id: af0f9885a6 (このIDを非表示/違反報告)
ポラリス(プロフ) - るなさん 閲覧頂きありがとうございます！^^*これから少しづつ色々と繋がっていく予定です！楽しんで頂けたら嬉しい限りです^^*これからもよろしくお願いします！ (2016年6月7日 23時) (レス) id: 1badba41ae (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - いつもお世話になってます。最新話すごいですね！話が繋がっているところが魅力だと思います！楽しんで解釈させていただきます(*^^*)失礼しました。 (2016年6月7日 23時) (レス) id: af0f9885a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポラリス | 作成日時：2016年5月9日 16時
