1冊 月下灰病棟 ページ2
やぁ、今日は奇妙な冒険譚を君に話そうか。
…そう、君なら命を引換に何を望むかい?
クスッ、答えは出ないみたいだね。
この譚はある一人の男が命と引換に
ユートピアを創造していった譚。
君なら、どの世界を望むかい?
《…次は月面鏡街3番地、月面鏡街3番地…》
ガタンッガタンッ…ガッ…
____________________。
私の世界から、色が消えた。
世界の色が雨で流れっていく様だ。
私を置いていって、どんどん変わって行く。
見えるものは見たくなくて、
見えない色は見たくて。
私は何とも言えないが、難病に侵されたらしい。
視界から色が消え、灰色の海の中。
定期的になる電子音がやけに五月蝿く聞こえる。
電子図では分からないだろう?
朽ち果てた無花果のようなこの傷心が
嗚呼…!!この世界なんて終わってしまえばいい!!
この無様な私を素晴らしい月下の世界へと
連れ出してくれる列車があれば!!
そんな夢想の世界へ___。
そうだ、魔法使いを呼べばいい。
代償は何だっていい、連れ出してくれ。
この錆びた虚像から覚めさせてくれ。
『代償は貴方の寿命、それでいいかな?』
「こんな世界から抜け出せれるなら…!!」
『それでは星界鉄道の旅へとご案内します』
望めばどこへだって行ける
私はユートピアへの片道切符を握りしめ
ガラスの列車へと乗り込む。
君はこんなにも素敵な冒険譚を
今まで聞いたことはあっただろうか?
月下の灰病棟、
その私は震える脚を縺れさせながら
この物語のプロローグを綴った。
____________________。
ユートピア願望、それが人間にはある様ですね。
この男はその願望が叶ったのでしょうか…。
もしくは、
何も無い虚無の世界へと消えたのでしょうか…。
いいえ、それは私にも分からないでしょう。
彼が魔法使いに縋ってまで願ったユートピアは
一体、どこの世界だったのでしょう。
アナタも気を付けてくださいね。
意外な所でアナタの狂言が芽吹いているかも…。
では、また次でお会いしましょう_____。
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るな(プロフ) - ポラリスさん» いえいえ!これからの展開が楽しみです♪( ´▽`) 更新がんばってください! (2016年6月7日 23時) (レス) id: af0f9885a6 (このIDを非表示/違反報告)
ポラリス(プロフ) - るなさん 閲覧頂きありがとうございます!^^*これから少しづつ色々と繋がっていく予定です!楽しんで頂けたら嬉しい限りです^^*これからもよろしくお願いします! (2016年6月7日 23時) (レス) id: 1badba41ae (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - いつもお世話になってます。最新話すごいですね!話が繋がっているところが魅力だと思います!楽しんで解釈させていただきます(*^^*)失礼しました。 (2016年6月7日 23時) (レス) id: af0f9885a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ポラリス | 作成日時:2016年5月9日 16時