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「何ー？涼介。やっぱりバッテリー上がってたでしょ？
パパは今、出勤出来なくて大ピンチなんだよう。
今日は車じゃないとダメなのにぃ。頼りのJ〇Fもあと1時間くらいかかるみたいでさぁ。」
パンチパーマを整えながら、呑気にグラサンを選んでる親父を無理矢理引っ張り出した。
「いいから早く来て！それもだけどもっとヤバいんだよ！
親父、鍵はちゃんと開いたのか？」
「え、鍵？」
「あぁ、キーレスで開いたかって聞いてんの」
「そりゃ開かなかったよ。だからバッテリー切れたんだなって。直接鍵穴にさして開けたよぉ」
「…！やっぱりな。ちょっとこれ、見て」
俺は戸惑う親父を引っ張って助手席側に向かう。
「助手席側のドアにこんな物がついてた。いや、付いてたって言うか挟まってた」
ドアを開けてそれを見せると、顔面蒼白になる親父。
グラサンで半分しか見えてないけど。
「えぇ！何これ？こんなのどこにあった？パパ知らないんだけど」
そう言いながらそれに手を伸ばす親父。
触るな！と、とっさに俺はそれに触りかけた親父を制した。
「なんかやばそうだから、絶対に素手で触るな。指紋が残ってるかもしんないし」
それは小型の盗聴器？もしくはカメラ？
こういうのに詳しくないから何かははっきり分からないが
それが怪しいものなのは間違いない。
「そっかこれが挟まってたせいで半ドアになってたんだね･･･ていうか、どこでこんなもの付けてきたの？」
「俺が聞きたいよ！でも、」
そこは確か、、涼子が昨日最後に座った場所。
涼子がこいつに気づかずにドアを閉め、半ドアになった。
もしくは…
俺たちが降りてから、誰かが仕掛けた？
いや、そもそも。
涼子が気づかなかったということは最初から車に仕掛けられてたのか、
涼子自体に付けられていたのかでも話が違ってくる。
･･････。
って、またかよ。
前回の盗撮騒ぎといいこんな事ばっかり。
なんなんだ。。
前者ならば、親父に問題があって車に付けられたって事になるけど
後者ならばこれはまた厄介な話になるぞ…！
うーん、、親父に今このことを話したら、
今度こそ涼子を外に出さなくなるかもしれない。
今でも充分過保護なのに、、それは流石に涼子が可哀想だから。
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作者名：AKA | 作成日時：2022年4月4日 8時
