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「はぁ?家は辞めろよ!マジで変だからお前」
しかもなんで泣くんだよ、とキレながら振りほどいても磁石のように離れないコイツに段々ゾクゾクしてきた。
「だから、それだけ本気って事です!ずっとずっとお会いしたかったんで!」
ズルズル・・・と引っ張りながらも離れないコイツの身体能力に流石の俺もいよいよ怖くなってきた。
「な、俺の何がそんなにいいんだよ、お前、変態かよ!」
「それは後日話しますんで。来てくれるなら俺はずっと変態でいいっす」
なんだコイツ。
拉致があかねー。
この作品には相変わらずまともな登場人物はいないみたいだな。(ごめんなさい)
俺は諦めから抵抗を辞め、ため息をついた。
「わかった、わかったから。ここは涼子のダチの店だからきっとまたこういうので会うと思うし。
(多分無いけど)気が向いたら来てやるから。だから今日は離せ。な?」
俺が優しさ30%増量でそう言うと、ソイツは手をあっさり離した。
「わかりました。絶対に忘れないでくださいね」
ニッコリ笑い返されて拍子抜けするけど、とりあえず納得したみたいで良かったわ。
ーーはぁ。疲れた。
また1人、変なやつと知り合ってしまったな・・・。
逃げるようにしてパーキングに涼子を連れて戻り、親父の愛車を運転してると涼子が口を開いた。
「楽しかったなー刺激的で」
「刺激的・・・確かにな」
「うん。また行きたいな!あのお店」
ケーキも美味しかったしー!ってはしゃぐ涼子。
早速撮ったらしい写真をイ〇スタにアップしてる。
「んー。まぁヒカルちゃんちなんだから行くこともあるだろ。
・・・そう言えばあの変態野郎はなんて名前なんだ?」
「え?風磨さんのこと?」
「風磨って言うのか。元ヤンらしいけど聞いた事ねーな」
「そうなの?だいぶお兄ちゃんのオタクみたいだったけどね。
しかもお兄ちゃんと同い年みたいで、お兄ちゃんのこと気持ち悪いくらい聞かれたよ。
まだまだ聞きたいことがあるからって、さっき携帯番号貰った」
!!
なるほどな。
ハンドルを握る手の力が強くなる。
俺のことを憧れてたのは嘘じゃないだろうけど、絶対涼子に近づく為のカモフラージュだろうな。
ったくちゃっかりした野郎だわ。
「・・・そこには絶対連絡すんなよ、連絡来ても出るな」
やっぱりナンパしてんじゃねーかよ!
ったく油断ならねー。
俺はイライラしながら自宅への道を急いだ。
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作者名:AKA | 作成日時:2022年4月4日 8時