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「はぁ。今日も沢山見られたね･･･」
裕翔くんが困った顔をして溜息をついた。
「だね〜。裕翔くんが来るとみんな見るんだもん」
私がちょっと頬を膨らますと、慌てる裕翔くん。
「わ、不可抗力だよ、涼ちゃん」
「裕翔くん、きっと中学の時もあんな風にキャーキャー言われてたんだよね･･･ムカつく」
想像してどんよりとした空気を纏わせる私に、ワタワタと焦る裕翔くん。
「ヒェッ、涼ちゃん落ち着いて」
だって想像付いちゃったんだもん。
こんなモテる彼氏と付き合ってる事は
めちゃくちゃ誇らしくはあるんだけど･･･ね？
これだけ人気があって目立つと、私の裕翔くんなのにっていう複雑な気持ちも出て来るから自分でもよくわかんない。
･･･あれか？Jrの時からずっと応援してたのに、デビューが決まって売れてファンが増えた途端に覚めて興味無くなる系のオタク心理みたいなものか？
違うか。
なんかキレが悪いな･･･今日の私。
久々だからかな。←
そんな私()に、グイッと肩を寄せるヒカルちゃん。
「何言ってるの。涼ちゃんだって。ホラ」
私のカバンの中にあった紙の束を、いつの間に抜いたのかサッと裕翔くんの目の前にチラつかせるヒカルちゃん。
「な！またかよ〜」
裕翔くんが途端にゲンナリした顔になる。
そう。ヒカルちゃんが見せたのは大量の紙。
紙･･･というか、ラブレター？みたいな。
学校にいる時は基本的に携帯は使用禁止っていうクソみたいな()校則のせいで、
SNSの連絡先が書かれた紙とか、好きです付き合って下さい、みたいに短く書かれた手紙が知らない間に私のロッカーや引き出しに入れられていたり、待ち伏せされて手紙だけ渡されたり。
まだこの高校に入って数週間なのに卒業文集が出来るくらい貰ってしまった。
みんなそんなに彼女が欲しいのかな？
中学までは昔から自分を知ってる子達ばかりだったから、
割とこういうのは少なかったんだけど。
有難いけど･･･話したことも無い人は苦手。
帰ったらまたパパに焚き火にして貰わないとな。。
「それにしても相変わらず凄い量だね･･･！このペースだと、後1週間ぐらいで全男子生徒をコンプリート出来るんじゃない？笑｣
山田ちゃんの威力ヤバいねー！さすが俺の嫁♡ってはしゃぎながら数え出す裕翔くん。
心配してくれてる割には、なんか楽しそうなんだよね。
男子にありがちなコレクター気質発動させてんじゃないよ、もうヽ(`Д´)ﾉ
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作者名：AKA | 作成日時：2022年4月4日 8時
