・ ページ2
そう、私の自慢の彼氏裕翔くん。
さっきまで私たちを見て湧いてた男子達が一斉に静まりかえった。
ーー皆、裕翔くんを見て諦めの表情である。
この様に男子の羨望を集める彼は、女子達からは入学早々王子様だとロックオンされキャーキャー言われる存在だ。
しかもそれを鼻にかけないので益々人気が高まるばかり。
まぁ、いくら外野が騒ごうが、私のなんですけどね。
こうしてるとすっかり元ヤンって事を忘れそうだけど、実際高校生になったからヤンキーはもう卒業することに決めたらしい。
エラいよね。
やっぱり将来性最高だわ。←
そんな王子様のような裕翔くんが、毎日帰る時間になると私に会いに来てくれるのが凄く嬉しい。
学力の差があるのになんで同じ高校？って思うかも知れないけど、
うちは私立で裕翔くんがいるコースと、私がいるコースは偏差値も違えば校舎も違う。
だけど同じ高校だから敷地は同じ。
毎日顔を見ることが出来るし、一緒に帰ったり出来るの。
本当に受験頑張って良かった♡
「お待たせ。帰ろっか」
裕翔くんが私とヒカルちゃんに優しく微笑みかける。
私たち3人が歩き出すと、いつもの様に周りの女の子達がザワめくのがちょっと恥ずかしい。
「あー、中島くんだぁ！今日もカッコイイな〜！」
「今日も来たね！目の保養♡」
「めっちゃイケメン！･･･向こうの校舎からいつも来るよね？頭いいんだぁ」
「話しかけたいけど、いつも帰る時はあの女の子達といるんだよな〜、、神々しくて近寄れない･･･」
「やっぱりあれぐらい可愛くないと隣ムリだよね〜」
「あの子達めちゃくちゃ可愛いから、もはや嫉妬すら烏滸がましいかも！」
はぁ、皆さん、今日も丸聴こえです･･･。
いつも周りにガン見されながら噂されてるのが気恥ずかしくて、物凄いスピードで私たちは校舎を出る。
最初はちょっとだけ誇らしかったけど、こう毎回だと監視されてる様で流石に落ち着かない。
私たちに刺さる大量の好奇の視線をカバンで避けながら一目散に校門を目指す。
ふぅ。芸能人ってこんな気持ちなのかな。。
やっぱり私には向いてないや。
ようやく校門を出てホッとする私たち。
ここから駅までの道程は、3人で話せる唯一の時間だ。
息を整え、うしろを確認し、お互いの無事を確認する。
うん。裕翔くんもヒカルちゃんも怪我はないみたい。←
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 87人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：AKA | 作成日時：2022年4月4日 8時
