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リビングを飛び出し、2階の自室に逃げ込んだ私は速攻でLINEを開いた。
慧ちゃん。
慧ちゃんは私といつもつるんでる地雷仲間のお友達。
3つ年上でスラッとしてて賢くて綺麗な慧ちゃんは、その可憐な見た目に反し、頼りになるお姉ちゃんみたいな存在だ。
地雷メイクを教えてくれたのもこの慧ちゃんで、私に無いものを沢山持ってる憧れのお姉ちゃん。ちょっとひよる癖のある私をいつも庇ってくれる大好きなお姉ちゃん。
だから何かあると私は直ぐにこうして慧ちゃんにLINEしてしまう。

かくかくしかじかで、今あった事をLINEに病んだ文章で送り付けた私に慧ちゃんは、既読付けると光の速さで通話してきた。

「涼ちゃんLINE見たけど!何それ?ウチは前から心配してたんよ!純粋な可愛い涼ちゃんがあんなヤンキーと付き合うなんて……ナカジマ、ウチが控えめに言って殺すし」

「慧ちゃん、あ、あのね、殺すのは勘弁なんだけどぉ…」

「甘いんだって、涼ちゃんは。涼ちゃん今日のために地雷メイク、いつもより頑張るってウチに3時間も買い物付き合わせてリハーサル7回もさせて気合い入れてたじゃん!リビングの配置も建築士のウチのお兄にわざわざLINEして相談して変えたんでしょ?ウチだって若干巻き添え食らってんだから、ちょっとぐらいシメたっていいじゃないの!ウチ、もう止まんないから」
と、いつもおっとりな伊野尾ちゃんにしては
珍しくそこまで一息に話すと(ていうかちょいちょい私に対する愚痴入ってなかった?(ヽ(`Д´)ノ)一方的に通話が切れた。

涙をふいて、すぐメイクを直す。慧ちゃんはいつもおっとりしてるのに、私の為ならキャラ設定すら無視して親身に一生懸命接してくれるし危険も厭わない。大好き。一生友達だよ♡(激重)

メイクを直すとすぐLINEが鳴った。
慧ちゃん。いつの間に瞬間移動してきたのか、もう私の部屋の窓下にいるって!
相変わらずどんな魔法使ったかわからないけど早いんだから。
窓を開けると、本当に慧ちゃんがいた。
よく見ると家の傍にバイクを停めたばかりの汗だくの彼氏の高木くん。
こいつが魔法か。

私は慌てて、階段を降りて慧ちゃんの元へ走る。
横目で見たリビングではまだ裕翔くんがお兄に付きまとっているようだ。
本当最低!お兄も満更じゃないんじゃないの??パパママも裕翔くんが持ってきたお菓子食べながら呑気に笑点見てるんじゃないわよ。ちょっとは止めてよ。
もうみんな大嫌い!
また涙が込み上げてきて、外にいる慧ちゃんに抱きついた。

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作者名:AKA | 作成日時:2021年11月21日 9時

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