地雷女子ymdちゃんと兄ヤンキーymdくん (ページ25)

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そんなお兄とヒカルちゃんは初対面。

「初めまして、同じクラスの八乙女ヒカルです。
お世話になってます。……この人がもしかして、最近出来たって話してた涼ちゃんの彼氏？」

「えぇっ！？ないない、違うから！これは私のお兄ちゃん！！！ほら、顔そっくりでしょ？」

その言葉に慌てて否定する私。
それを見てちょっと悲しそうな顔をする兄。

「妹といつも仲良くしてくれてありがとね。
もう大丈夫そうだし俺、行くから。
ヒカルちゃん、またうちにも遊びにおいでね。2人とも気をつけて帰れよ」

あ、帰る時は親父に連絡しろよー！とデカい声で言いながら
お兄は私とヒカルちゃんにそう言って人混みに消えた。
そんなお兄を見覚えのある友達2人が待っていた。ちょっと服装がヤンチャだけど、小柄で可愛らしい顔の2人。
小さい頃からお兄と仲が良い有岡さんと知念さんだ。
ていうか、お兄も友達と来てたんじゃん。
今のを色んな人に見られてたと思うと…恥ずかしくて消えたくなる。

「優しいお兄さんだね」

ヒカルちゃんがちょっと羨ましそうに見てる。
いや、確かにお兄は私には優しいけど、ヤンキーだしここでは言えないようなこと、色々やらかしてるんだからね？
絶対言わないけど。

「ていうかマジ、お兄ちゃんが彼氏とか勘弁なんだけど！あんなに同じ顔してるのにそう見えた？？」

ヒカルちゃんは少しの間考えてる。
ヒカルちゃんは独特のペースがあるから、答えを急かしちゃいけないの。

「…顔、同じだったっけ？」

私は思わずひな壇芸人ばりにズッコケた。
そうだった。ヒカルちゃんは究極に天然さんなんだった。

「さっき普通に話してたのに、見てなかったんだ…。
逆にどこ見てた？？！
相変わらずエヴァと彼氏の薮くんの事以外は覚えるの苦手だよね」

「薮くん…ポッ」

思い出して頬を染めるヒカルちゃん。
可愛いっ……じゃなくて。
私は呆れて溜息を付いた。
マイペースで天然なヒカルちゃんに調子が狂うけど、そこはヒカルちゃんの特徴というか、面白くて嫌いじゃない。
都合の悪いことも、たまに忘れてくれるし。←

「まぁいっか。時間使っちゃってごめんね。早くお買い物行こっ！」

私はヒカルちゃんの手を握りしめて、好きなブランドのお店に向かった。