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side りょうすけ ページ11

俺ん家のリビングに突然現れた物騒な地雷女子伊野尾ちゃんに、固まる中島。
ざまーみろ!中島、うちの可愛い涼子を泣かせた罰だ!バーカバーカ、と俺は中島に脳内からメッセージを送る。
歴戦の経験から、何となく身の危険を感じた俺はさっさとトンズラこく事にした。

「あっ!お兄さん」
中島が目ざとく俺にしがみつく。

「離せ!俺は死にたくない」
見苦しく慌てる俺と中島の前に容赦なく振り下ろされた金属バット。素早く避けた俺。ん??
金属バットをよく見るとローマ字でTAKATI…
たかち?名前か?たかちって誰だ?

俺に避けられた伊野尾ちゃんは中島に向かって金属バットをロックオン。

「ナカジマ…ウチの可愛い涼ちゃんをよくも」

「!なんで俺の名前を?この子は一体…」
震える中島に俺が親切に答えてやる。

「さっきも言ったが、涼子のマブダチの伊野尾ちゃん」
俺の紹介にうむ。と誇らしげに頷く伊野尾ちゃん。

「涼ちゃんから話は聞いた」

「な、、どこまで聞いたの?」
慌てふためく中島。
伊野尾ちゃんがその顔に似合わない恐ろしい眼差しで中島を睨みつける。

「あんたがそこの涼介と浮気したって」

「「ハア?」」

俺と中島は、まるで14年同じグループで連れ添ったシンメかのように、綺麗にユニゾンした。思わぬ声の相性の良さに震える俺たち。
しかし問題は今そこじゃない。

「何、恍けるつもり?涼介も涼介よ…兄貴のくせに妹の彼氏を誑かすなんて!」
こちらに金属バットを再び振りかざした伊野尾ちゃんを慌てて制する。

「いやいやちょっと待って、俺は被害者!」

「被害者?」

「そ!涼子からなんて聞いたか知らないけど俺はこいつと何も…なあ?中島!」
恐ろしくて思わず中島に助けを求めた。
俺に頼られて嬉しいのか(ときめいてんじゃねぇ)途端にキリッとした表情で言い放つ。

「そうだ!お兄さんとは何も…いや、まだ何もしていない!」

「まだ??」
伊野尾ちゃんの表情が一気に険しくなる。

「そうだ!まだだ!」
何故かドヤ顔する中島。

おい中島!まだってなんだよこえーな。余計な事言うんじゃねぇよ。
巻き込まれる俺の身にもなってくれ…

「いや、だからコイツの話はおかしいし、俺にそんな気は全くない!伊野尾ちゃんが涼子から聞いた話は半分嘘だよ!確かに口説かれはしたけど!どうせまた涼子から大袈裟な病みメールでも来たんだろ?!?」
いい加減ムカついて可愛い妹には悪いが言ってやった。

「涼子は昔から敵に回すと厄介なんだよっ」

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作者名:AKA | 作成日時:2021年11月21日 9時

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