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夕闇の中で輝く金髪と白い肌が美しい。
涼ちゃんに会いたい気持ちが爆発しそうだったから、そっくりなお兄さんを今見るのがちょっと辛い。
俺が珍しく、何も言えずに下を向いてるのに気付いたお兄さんは、ちょっと来いよ、と近所の公園まで誘ってきた。
何を聞かれるのか怖いし、何を話せばいいかわからず、ただ黙って着いて行っただけの俺に、そこ座れ、とジャングルジムの柵に座って俺に合図する。
言われた通りに座ると、お兄さんが俺を睨むようにして口を開いた。
怖い!けど美しい。←
「……涼子が朝からイライラして出てったの、お前が原因か?」
きた。答えようによっては俺の命が危ないかも知れない。
俺も大概喧嘩は負けないけど、このお兄さんは伝説とまで言われた超強いヤンキーなんだ。噂では総長だと聞いた。
見た目はこんなに可愛くて綺麗なのに…
人は見た目に寄らないってのを体現してる様な人だ。
このお兄さんには誤魔化しが通用しそうにない。
俺は正直に昨日の事をお兄さんに話した。
俺の話を聞いて、意外にもお兄さんは眉間に手を当てて考える様な仕草をした。
「んー…なるほどね。それは…ちょっとアレだな」
てっきり怒られるかと思ったけど、意外な反応に拍子抜けした。
「お、おこらないんですか?俺…また余計なこと言っちゃって…」
「んんー、本当はめちゃくちゃキレてボコボコにするつもりだったけどな。…お前は確かに一言多いんだけど、悪気はない奴だと思うから」
「……!」
「この場合は、ちゃんと涼子と話した方がいいかもな。いきなりブロックして予定をブッチした涼子は流石にやり過ぎだと思うし。俺もアイツを過保護にし過ぎたからな…」
ごめん。妹はかなりの地雷女子でさ、いちいち真に受けて面倒くさい性格だから、お前には苦労かけると思うけど…
って俺に頭を下げたお兄さん。
や、やめてください、と俺が慌てて制すると、イタズラっ子っぽく笑うお兄さんの視線と目が合った。
ああっ!可愛いっ!
キュンした俺に何故か気付いたお兄さんは
「お前っ!やっぱり懲りてねぇな!」
と、俺を羽交い締めにしてちょっと満足そうな顔のお兄さん。
痛い痛い!マジで痛いこの人!
でも…ちょっとし・あ・わ・せ♡
「…お前ちょっと悦んでない?」
やけに勘がいいお兄さんはパッと俺から離れる。
あぁ、せっかくいい匂いだったのに。←
「お前やっぱり変だけど、結構いい奴だよな。今回は涼子の為にもちゃんと話をしてきて欲しい。頼むわ」
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作者名:AKA | 作成日時:2021年11月21日 9時