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走り終えた紗綾が私にちょこちょこと近付いてきて私の隣に立った。







「 まだあそこにいなきゃだめなんじゃないの? 」







「 うん、でもいいんだよ。リレーはAと見た方が楽しいし 」








ここ見やすいねー、と満足気に紗綾は笑った。









「 去年からここで見てたんだよ 」







誰にも取られないようにリレーが始まる2つ前にはここにいる。








「 楽しみだなぁ。わくわくしちゃう 」




「 そうだね 」









もうすぐで始まるよ。




弾む心を落ち着け、落ち着け、って必死で抑えてガンバレともう一度小さく呟いた。







なかなか始まらないな、と本部の方に目をやると何か手違いがあったのか先生たちが慌てていた。








「 そういえばさっき今市くんがAのこと探してたけど会えた? 」







「 あぁ、うん 」






紗綾にも声かけていたんだなぁ。








「 なんだったの? 」







「 なんか直人先生に勝ったらキス、して、って 」





自分で言って恥ずかしくなって自分の頬が赤くなるのがわかった。




そしてまた赤くなったことに恥ずかしくなる。







「 キス!? 」







紗綾も一度は驚いたけど、今市くんも面白いこと言うね〜、と完全に他人事だ。







「 でも直人先生に勝てたら凄いことじゃない。叶えてあげれば? 」






「 な、なにアホなこと言ってんのっ!
もう一本ジュース奢るとかなら考えても良かったけどキスって!キスって! 」







「 いや〜、まぁ確かにね〜。キスってね〜。
好きな女の子からキスしてもらえるなんて確かにチカラになるけどね 」






好きな女の子って!私そんなキャラじゃないし…。






「 先生たちの勝敗は優勝には関係ないからね 」




「 う〜ん 」






実は去年のリレーは先生たちが実質の優勝をしている。



でも先生たちはただ走るだけで勝敗には関わらない、というわけだ。



だから優勝は去年も臣率いるうちのクラスだった。







「 直人先生に勝てることが凄いことだってことくらい分かってるんだけどさ〜 」









そう愚痴ってる間にスタートラインから「よーい!」と掛け声が聞こえてきた。









「 待って!A始まるよ! 」






「 う、うん 」








心臓が張り裂けそう。





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りり(プロフ) - mmlibrab51761014345403183さん» コメントありがとうございます◎楽しんでいただけるよう更新頑張りますね! (2016年7月4日 16時) (レス) id: eb56b9b83e (このIDを非表示/違反報告)
mmlibrab51761014345403183(プロフ) - 初めまして!小説毎回楽しく読ませてもらってます。 (2016年7月4日 8時) (レス) id: 56f79d8620 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:時雨 | 作成日時:2016年6月13日 21時

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