34:ガンバレ!! ページ34
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暑い。暑い。暑い。
熱い。熱い。熱い。
「 では皆さん、熱中症やケガにはじゅうぶん気をつけてーーー… 」
毎日寝て起きて学校に行って…を繰り返していたら体育祭はあっという間にやってきた。
私が出場する競技はムカデ競争と台風の目。
どっちもプログラムの最初の方だから私の今年の体育祭はすぐに終わる、というわけ。
だけど私が1番緊張してるのは他でもない選抜リレーだ。
選抜リレーには紗綾も臣も今市も出る。
「 りんごジュースぅ〜りんごジュースぅ〜♬ 」
りんごジュースを賭けないと今市は頑張れないらしいから仕方がない。
私がその賭けに乗ってクラスの一員としてリレーを応援するしかない。
「 せめてオレンジジュースにしない? 」
「 俺が飲むんじゃん 」
「 そうだけどなんか…、自分が嫌いなものにお金出すって…なんか… 」
「 俺、頑張るからさ 」
私が必死に訴えてるのに今市はそう笑って私の頭を優しく叩いて行ってしまった。
頑張るなんて当たり前だ、バカ!!
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「 A〜!! 」
私が早々にムカデ競争と台風の目を終わらせて応援席にいるとスキップをしながら直人先生が近付いてきた。
「 どうしたんですか? 」
「 俺リレーのアンカーになったよ〜 」
選抜リレーの1番の目玉はここかもしれない。
普段は教壇に立つ先生たちがリレーでは本気で生徒と競い合う。
「 あー、直人先生運動神経いいですもんね 」
直人先生は英語科のくせに体育科の先生より足が速い。
一体何者なのか。
生徒との距離が近いのに加えてそこも女子生徒から人気になる理由だ。
「 応援しててね!! 」
「 あ、あ〜、はい 」
相変わらず近い距離で他の女子なら一瞬で落ちてしまうような無邪気な笑顔でそう言われたけど私には他に応援しなきゃならない人がいる。
りんごジュース奢ったって勝って欲しいんだから。
ごめん、直人先生。
すると直人先生は席を立ちながらこんなことを私に告げた。
「 あ、なんかね、今市が探してたよ 」
いらぬ報告に私は思わず顔をしかめた。
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りり(プロフ) - mmlibrab51761014345403183さん» コメントありがとうございます◎楽しんでいただけるよう更新頑張りますね! (2016年7月4日 16時) (レス) id: eb56b9b83e (このIDを非表示/違反報告)
mmlibrab51761014345403183(プロフ) - 初めまして!小説毎回楽しく読ませてもらってます。 (2016年7月4日 8時) (レス) id: 56f79d8620 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時雨 | 作成日時:2016年6月13日 21時