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あれから結局カルピスを買ってもらって、私たちは教室に戻った。
「 あ!やばい! 」
「 なに!? 」
「 今日特売だ〜! 」
6時にはおばさんたちに取られて無くなってしまう激安商品をきちんと確保しないと。
今は5:45。
いくら家から5分だとしても今すぐ出ないと間に合わない。
チラッと紗綾の方を伺うと、紗綾は分かってるよ、っと優しく笑った。
「 ほら行ってきて。その代わり明日はちゃんと教えてね 」
「 うん!うん!ありがとう!女神!
愛してるよ!!!! 」
「 愛の言葉を簡単に叫ぶな 」
いいじゃん?別に。
本当に感謝してるんだし好きなんだから。
まぁ本人には絶対言わないけど。
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次の日の朝学校に行くと紗綾が私の机に座っていた。
「 昨日の特売大丈夫だった? 」
「 うん、バッチリ!
おばさんたちに勝ってきたよ 」
周りを見渡すといつもと変わらない朝。
クラスの1番目立つグループは教室のど真ん中で携帯を覗いて騒いでいるし、真面目な学級委員は朝から本を読んでる。
「 転入生のことみんなに言ってないの? 」
「 うん、なんか私たちだけが知ってる方が気分いい気がして 」
「 きっと大騒ぎだよ 」
「 イケメンだったら尚更ね 」
またそんなことを言っている紗綾をスルーして今日の小テストの範囲を聞こうとすると担任が教室に入ってきた。
まだ先生になって2年目のペーペー、だと先生は自分で言っている。
そして私たちの担任になって2年目。
多分先生の後ろに転入生がいるんだろう。
私たちだって今日転入生が来るっていうこと以外はなにも知らない。
少し身を乗りだして転入生を見ようとすると、先生がみんなに声をかけた。
「 ほらー、座れ〜。
今日な、みんなに紹介したい人がいるんだ 」
そんなことを神妙な顔つきで言う先生。
それは両親に彼女を紹介するときでしょ……。
ちらっと紗綾の方に目をやると紗綾がこっちに気づいて軽く笑った。
「 転入生がそこにいます! 」
廊下の方に指を向ける担任を見て、クラス内がザワザワし始めた。
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りり(プロフ) - mmlibrab51761014345403183さん» コメントありがとうございます◎楽しんでいただけるよう更新頑張りますね! (2016年7月4日 16時) (レス) id: eb56b9b83e (このIDを非表示/違反報告)
mmlibrab51761014345403183(プロフ) - 初めまして!小説毎回楽しく読ませてもらってます。 (2016年7月4日 8時) (レス) id: 56f79d8620 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時雨 | 作成日時:2016年6月13日 21時