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honey...2 ページ2

yt side




「いらっしゃいませ〜、あれ?」







慌ててホールに出ると、鼻を赤くさせて
制服をきた男の子が立っていた。



この制服は、東高かな?
でもなんでこんな時間に...







「あの、」



「はい?」



「これ、お店の目の前に落ちてたから...」







受け取ってみると俺のとよく似た
ボールペンで。


反射的に胸ポケットを触ってみると、
やはりなかった。







「...俺のだ。どうもありがとうございます」



「いえ!とんでもないです!!」







慌てて首をふるその子が微笑ましい一方で、
ひとつ違和感。



雪が降るかもってくらい寒いのに、
マフラーをつけていない。



だからまっかっか。



そんな俺の視線に気づいたのか、
ポリポリと頭を掻いてへらっと笑った。







「あー、やっぱおかしいですよね」



「忘れちゃったんですか?」



「んーん。来る途中に小学生の子に
渡しちゃったんです」



「え?」



「その子忘れちゃったみたいで。
小さいのにかわいそうじゃないですか」







いや、俺よりもだいぶ小さい君から
そんな言葉。







「それに俺らは学校行けば暖房効いてますし!」



「...ちょっと待ってて」







別に深くもなにも考えてない。



ただ俺も、鼻を赤くして笑う君に
何かしてあげたくなって。







「これ、貸してあげます」



「え?」







俺がつけてきたマフラーを
男の子に渡した。







「帰り、返しに来てください。
カフェ、あいてますから」



「ふふ。くれるんじゃないんですね?」



「...俺も帰り寒いから。
学校までの行き帰りだけ」



「ありがとうございます。中島さん」



「え?」







俺のまぬけな声にくすっと笑ったその子は
名札を指さして、「帰り持ってきます」とだけ言って
カフェから出ていった。







「裕翔〜?お客さんじゃないの?」



「あ、うん。うーん...」



「なんだよ、その曖昧な返事」

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作者名:ここなっつ | 作成日時:2018年12月17日 1時

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