双子座少女の逃亡記[歌い手]

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Aside

少し休憩、ということで皆思い思いの場所に腰掛ける。

「A〜」

私も休もうと腰を下ろしたところでそらるさんに声をかけられる

『なんでしょうか』

「今時間ある？少し護身術練習しようか」

『私は大丈夫ですけど…そらるさんは疲れていないんですか？』

実は天月さんが馬車のようなものを作ってくれて途中からそれに乗っていたのだ

そらるさんはずっと先頭で歩いていたから疲れていないか気になったのだ

「俺は大丈夫〜伊達に鍛えてないよ」

『じゃあよろしくお願いします…！』

少し開けたところへ移動し、そらるさんと向き合う

「今回は最初だから基本だけね。簡単な護身術だけ。一応俺達の拠点にしてる所があるから本格的なのはそこに着いたらやろうか」

『はい』

「じゃあちょっと手を出して。」

そう言われ手を出すと手首をかなり強く掴まれる。

「ここから振りほどける？」

当たり前だけれど大人の男性に掴まれるとビクともしない

『無理じゃないですか…？さすがに大人の男性にそんなに強く掴まれると…』

「じゃあ俺が言う通りに手を動かしてみて」

『はい』

「自分の方に向けて手首をひねって。それだけ」

言われた通りに手を捻るとさっき掴まれていたのが嘘かのように手がするっとほどけた

『え…？』

「簡単でしょ」

『はい…』

そらるさんは全く手の力を緩めていなかったのに簡単に解くことが出来た。

「ちょっと工夫をするとこういうふうに振りほどくことが出来るから覚えておきな。追いかけられてるなら腕とか掴まれること多いでしょ」

『はい！』

それから少し休憩を入れて、私達は街へ向かった。
あと数時間もすれば到着するらしい。

(天月さんと歌詞太郎さんの昔の仲間…どんな方々なんだろう)

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