第49話 上書き ページ7
壁に押しやられたと思えば私の首を見て言う。
｢…朝、虫にでも噛まれたと言ったな。虫がこんな紫がかった肌に出来るとでも？｣
『？知りませんよ…。出来なきゃならないでしょう…。』
｢無知なガキが……こうするんだ。｣
そう言うと、赤紫の跡のついた私の首筋にルッチが噛み付いた。
『いっ…！？ちょっ、やめっ…！』
痛みで噛み付いたと思ったが、どうやら首筋を強く吸われたようだ。
必死にルッチの胸を押すがまったく動く気配がない。
ーーく、食われる！？
パウリーの｢食われただぁ！？｣という言葉が頭に流れた。
焦った私は声をあげようと息を吸い込む。
しかしその息は出ることなくルッチの大きな手で塞がれた。
『ふっ…！んー！？』
｢…黙れ。｣
首から口を離したと思えば、顔を上げたルッチはペロッと唇を舐めた。
その姿はなんとも色っぽさを覚えたが、それどころではなかった。
ーー息ができない！
ようやくルッチが私の口から手を離した時には、窒息寸前だった。
『ぶはっ…！ゴホッ…ゴホッ！』
｢…分かったか。お前は自覚するべきだ。自分が無力な女であることをな…。お前にうろちょろされて今後迷惑になるのは目に見えている。｣
ーーそういうこと…。でももっと他にやり方はなかったのだろうか。
痛む首を抑えながらルッチを睨む。
｢…はっ…。なんだその顔は…俺を煽っているのか？｣
『ち、違いますよ…。ただほかにやり方はなかったのかなって…。』
ルッチは一瞬驚いた表情をした。
｢お前、あんなことをされておいてよく口が聞けるな…。｣
『…。』
｢…まあいい。少し…その跡が気に食わなかっただけだ。｣
『…は、はぁ。』
そう言うとルッチはあまりうろつくな。とまた釘をさし去っていった。
ーー気に食わないのに、その跡の上からまた酷くしてどうするんだ…。
そしてルッチの行為を思い出す。
ーーあれ…。これハレンチか…？
またパウリーの言葉を思い出し頭を抱える。
しかし考えてみれば、ルッチのした行為を以前にされた記憶はない。
ルッチが酷くしたあの跡は、いつ付いたものなのかもサッパリでまた深く頭を抱えた。
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アタル(プロフ) - サクラさん» サクラさん、ありがとうございます！コメントで感想を送ってくださると本当にやる気が出ます。自分で始めたので頑張るというのもなんか変な感じですが、頑張ります！ (2019年10月12日 17時) (
レス) id: e103d991e7 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - カクもルッチもカッコいい…！毎回キュンキュンさせてもらってます！更新頑張ってください！ (2019年10月12日 16時) (レス) id: 2be65d96af (このIDを非表示/違反報告)
アタル(プロフ) - akane10746さん» 前回からコメントありがうございます！続けてみてくださっていてとても嬉しいです！頑張ります。 (2019年10月8日 13時) (レス) id: e103d991e7 (このIDを非表示/違反報告)
akane10746(プロフ) - 毎回面白いです!更新頑張ってください！！！ (2019年10月8日 9時) (レス) id: 38a8873821 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アタル | 作成日時：2019年10月7日 0時
