第45話 再度、ウォーターセブン ページ3
海列車が止まる。
どうやら目的地に着いたようだ。
私たちは荷物を持ち列車を下りた。
『…ウォーターセブン…！』
私は1度ここに来ている。あの時この島に惚れ込んでいたのだ。また来れたことに少し感動していると、バシッと頭を叩かれた。
『いたっ…！』
｢ボケーッとするなっポー。｣
ーー！？
今私を叩いたのはルッチだったが、その声はいつものルッチの声ではなかった。
いつもの低い声ではなく、高い声。
ーーいや、違和感っ！
叩かれた頭を抑えながらルッチを見つめるが、こちらを振り向こうとせず歩いて行ってしまった。
｢…初めは慣れないわよね…。あれ。｣
カリファさんは既に体験していたようだ。カクやブルーノも驚いた様子がないところを見ると知っているのだろう。
｢わしらも行くぞ。｣
カクが歩き出し、私達もその後を追う。
まずは宿屋に行く。既に泊まるところは私が予約してあるから急ぐ必要はないのだが…。
そんなことは言えるはずもなく、急いでルッチを追った。
商店街に出ると、前に来た時と雰囲気が変わっているのに気づいた。
街行く人の多くが、仮面をつけているのだ。
出店も仮面を売るところが点々とある。
ーー付けてみたいな…。
そんな事を思っているとカリファが言う。
｢今、海列車がつなぐひとつの町、サン・ファルドで仮装のカーニバルをやっているそうよ。それにあやかっているのね。｣
『へぇ…。カリファさん詳しいんですね！』
｢…。伊達に諜報部員をやってないわ。｣
『…あっ…。』
ーーそりゃあそうだ。なんのためにここに来てるんだ…。既に調査は始まっているんだ。
気を引き締めねば…。
｢おおい。仮面買ってきたんじゃが、付けるかーー
『つけます！』
ーーそうか。｣
いんや、引き締めるなんてとんでもない。発散発散。楽しんでいこー！
｢…おい。お前ら…。｣
ーーうっ…。
ルッチが睨みをきかせてこちらを見る。
ーー鳩はどうしたんだ…鳩は。
仮面なんてふざけたものを付けて楽しんでいたことを怒られるのだろう…。覚悟して顔を上げれば、
｢…お前らにしてはいい案だ クルッポー。｣
『………つけます？』
結局みんなで付けた。
｢できるだけ素顔での行動は避けたいからな。ポッポー｣
ーーそんなこと言って…本当は付けたかっただけじゃないの…？
言いたかったがやめておいた。
しかしルッチは私の顔を見て勘づいたらしい。
ルッチは私に軽蔑の眼差しを向けていた。
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アタル(プロフ) - サクラさん» サクラさん、ありがとうございます！コメントで感想を送ってくださると本当にやる気が出ます。自分で始めたので頑張るというのもなんか変な感じですが、頑張ります！ (2019年10月12日 17時) (
レス) id: e103d991e7 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - カクもルッチもカッコいい…！毎回キュンキュンさせてもらってます！更新頑張ってください！ (2019年10月12日 16時) (レス) id: 2be65d96af (このIDを非表示/違反報告)
アタル(プロフ) - akane10746さん» 前回からコメントありがうございます！続けてみてくださっていてとても嬉しいです！頑張ります。 (2019年10月8日 13時) (レス) id: e103d991e7 (このIDを非表示/違反報告)
akane10746(プロフ) - 毎回面白いです!更新頑張ってください！！！ (2019年10月8日 9時) (レス) id: 38a8873821 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アタル | 作成日時：2019年10月7日 0時
