第52話 無力 ページ10
ーーヤガラちゃんを盗んだ人ではないな…。
立ちはだかった2人の男に言う。
『…すみません。迷子になっちゃったみたいでー…。帰りたいんですけどぉ。』
わざと明るく接するが意味がなかったようだ。
｢はっ。帰るだァ？俺達がタダで帰らせると思うか？ここは裏町だぜ、お嬢さん。｣
『…ですよね〜。』
バッと走って逃げ出す。
ーー裏町…！嫌だ、捕まりたくない…！
必死に逃げるが、あっという間に捕まれ地べたに押さえつけられる。
『っ！！嫌だ！離して！』
｢離して！だとよ。どうする？｣
｢ばーか、上物だ。離すなよ。｣
男たちは笑いながら私の上で話す。
ーーうぅ…。ダメだ…逃げられない。
ルッチに言われた言葉が今更重くのしかかる。
ーー私は無力だ…。
そんな自分が悔しくて涙が出た。
｢お、この女泣いてるぜ。｣
｢はっ、泣いてるところもそそるなぁ…！儲ける前にちょっとぐらい手ぇ出してもいいか。｣
そう言うと男の手が服の中に入ってきた。
『…っ！やだ…やめてよっ！』
その瞬間だった。
私の上に乗っていた男1人が急に私の上に倒れ込んだ。
『…ひっ…。』
｢…おい、どうした。｣
もう一人の男が心配した様子で覗き込もうとするとその男の後ろに人影が見えた。仮面を被っていたが分かる。
『…カク。』
｢…A…わしもまぜてくれんかの？｣
そんな呑気なことを言いながらも声のトーンは低く怒りをあらわにしている。
『…！カク待って！』
｢指銃。｣
私の静止は意味をなさなかったようだ。
目に見えない速さでカクが何かをし、
その瞬間、男は胸から血を流し倒れ込んだ。
｢………なんじゃ。助けに来たのにそんな暗い顔をされては困るのぉ…。｣
『…うう…ごめんなさい…。ごめんなさい…。ごめん…な…さ……。』
｢…！？おい、A！｣
私はただ謝ることしか出来ず、そして意識が遠のくのを感じた。
最後に見えたのは私の名前を呼んでいる、心配そうなカクだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 323人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アタル(プロフ) - サクラさん» サクラさん、ありがとうございます！コメントで感想を送ってくださると本当にやる気が出ます。自分で始めたので頑張るというのもなんか変な感じですが、頑張ります！ (2019年10月12日 17時) (
レス) id: e103d991e7 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - カクもルッチもカッコいい…！毎回キュンキュンさせてもらってます！更新頑張ってください！ (2019年10月12日 16時) (レス) id: 2be65d96af (このIDを非表示/違反報告)
アタル(プロフ) - akane10746さん» 前回からコメントありがうございます！続けてみてくださっていてとても嬉しいです！頑張ります。 (2019年10月8日 13時) (レス) id: e103d991e7 (このIDを非表示/違反報告)
akane10746(プロフ) - 毎回面白いです!更新頑張ってください！！！ (2019年10月8日 9時) (レス) id: 38a8873821 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アタル | 作成日時：2019年10月7日 0時
