第86話 作戦の中心 ページ44
W7に来てから、ここで起きたことは全てカリファさんが長官に報告していたそうで、もちろん私の能力も、ここでどんな無茶をしたのかも、全て長官に筒抜けであった。
《長官はAの能力に目をつけたようじゃ。被害を出さず、相手に気づかれないうちに任務を遂行できる、その能力にな…。》
カクの話によると、どうやらクマドリ奪還の任務には私の能力がうってつけのようだ。
しかし、私だけという話ではないらしく、ブルーノさんにもクマドリ奪還の命令がかかった。しかし、二人だけ。
電伝虫でその話を聞いたカリファさんは、私の能力は不確実で危険だと伝えた。私の身を案じてくれているのだろう。
《…わかっておる。しかし長官もそれは承知の上じゃ。じゃから、わしら全員でこの任務は受け持つ。みなで帰還するぞ。》
カクからの電伝虫を切ると、カリファさんが大きなため息をついた。
「…まったく、長官は一体何を考えているのかしら。Aまで巻き込むなんて…。」
『…。』
私の能力が不完全なものであるにも関わらず、その能力を高く買ったらしい長官の命令は、
クマドリというCP9の諜報部員をAを中心に救うこと。
聞いたことを頭にうかべながら一日ベッドですごした。
ーー私が救う…。
その日の夜、私とカリファさんが神妙な面持ちで病室にいると、カクとブルーノ、ルッチが部屋に揃う。
病室で任務についての会議が始まる。
「…話は聞いたな？俺らが救うほど価値があるとは思えんが、長官がそう言うんだ。俺らに逆らう権利はない。」
話をするルッチは先程部屋へ来た時とはうって変わり、えらい凶悪顔だ。
そのルッチを見るカリファさんの顔もえらい凶悪顔だ。今日のことがあったからだろう。
そんな2人の様子を見て私も冷や汗が出てきた。
ルッチは弱い者を嫌う。きっとクマドリという人に腹を立てているのだろう。
「まあ、そう言ってやるな。わしらで何とかなるならよかったじゃないか。さっさと助けてやろう。」
カクはルッチをなだめるように言った。
ルッチは未だに納得できていないようだが。
「それよりも、問題はAの能力次第ということじゃな…。」
「…こいつがいる方が問題だと思うが、更にこいつが作戦の中心と来たもんだ。」
「「「『……。』」」」
みんなの視線が痛い。
私だって充分それは分かっている。
誰もが納得いかないまま、明日からの作戦会議に話は移っていくのだった。
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アタル(プロフ) - サクラさん» サクラさん、ありがとうございます！コメントで感想を送ってくださると本当にやる気が出ます。自分で始めたので頑張るというのもなんか変な感じですが、頑張ります！ (2019年10月12日 17時) (
レス) id: e103d991e7 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - カクもルッチもカッコいい…！毎回キュンキュンさせてもらってます！更新頑張ってください！ (2019年10月12日 16時) (レス) id: 2be65d96af (このIDを非表示/違反報告)
アタル(プロフ) - akane10746さん» 前回からコメントありがうございます！続けてみてくださっていてとても嬉しいです！頑張ります。 (2019年10月8日 13時) (レス) id: e103d991e7 (このIDを非表示/違反報告)
akane10746(プロフ) - 毎回面白いです!更新頑張ってください！！！ (2019年10月8日 9時) (レス) id: 38a8873821 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アタル | 作成日時：2019年10月7日 0時
