完璧少女.3 ページ6
昼休み、いつ教室に乗り込んで来るか分からない木兎さんから逃げるため、特別棟に居た。
木葉さんが「今日こそ食い止めてみせる!」と意気込んでいたけど、パワーを見ると、ダメに思えてくる。
大きな溜め息を吐いて、薬品臭がキツい方へ向かう。
木兎さんが薬品の匂いを嫌っているのは調査済みだ。
そろそろ頃合いだな。
教室に戻るために階段を目指す。
階段を下ろうとすると、誰かが鼻をすする音が聞こえた。
なんとなく、音のした方へ向かう。音の主は、北野さんだった。
「あの、大丈夫ですか?」
いつも無表情の北野さんの泣き顔を見て、柄にもなく胸が高鳴った。
そして、直感的に思う。
もっと泣き顔を見たい。
できれば、俺のせいで泣いてほしい、と。
まるでそれが叶ったみたいに、彼女は更に目に涙を浮かべた。
「わ”だしは完璧な”んがじゃあ”ないんでずよ!」
力の限り、赤ちゃんが産声を上げるように言い切った北野さんは、完璧とはほど遠いただの女の子だった。
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斉賀(プロフ) - ナンだこれ!?(良い方)すごく楽しく読ませて頂きました。赤葦くんと上手くいってよかったあアアアアアアアアア! (2018年12月26日 20時) (レス) id: 12a2cd90a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コゲパンです。 | 作成日時:2018年5月6日 14時