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めんどくさい女.41 ページ44

_______チュッ。

小さなリップ音の後、ゆっくりと目を開けた。眼前には、白いタキシードに身を包んだ京治。

およそ十年の交際を経て、本日ひっそりと結婚式を上げた。

今まで、順風満帆だったかと聞かれれば、そうではなく、下らないことで喧嘩した日もあった。

新郎友人のスピーチは木兎が、新婦のスピーチは華ちゃんが行った。

彼がちゃんとしたスピーチをしていて泣きそうになった。
それを見た京治は少し複雑そうな表情。

つつがなく式は終わりを告げた。




「今更だけど、私、京治と結婚するとは思ってなかった。」

一口、魚を運んでそう言う。彼は呆れたような顔でまじまじと見てきた。

その視線を麦茶で受け止めて続ける。

「きっと京治は、私なんかより素直ないい人を見つけて幸せに暮らすもんだと、つい最近まで思ってたよ。」

なんなら、今、この瞬間すら夢の可能性だってある。だから、こんなことすら、当たり前のように考えてしまうのだ。


「……まあ、Aはめんどくさい。流石に式のキスの練習を毎日最低一回することになるとは思わなかった。」

「その節は誠に申し訳ございません。」

彼のハッキリ言うとこは嫌いじゃない。ただ、傷心中は傷を全力で抉られる。


「Aより、めんどくさくない、素直な人はたくさんいると思う。

でも、

  俺はそれでもAを選んだんだから、幸せにされて。

老後も隣に居るから。」

それを聞いて、つい笑ってしまった。

まさか老後のことまで考えているとは。


「これは、十分幸せにならなくちゃね。目移りしないでよ、京治。」

「当たり前。」

薬指の指環は、今日を祝福するように輝いていた。

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斉賀(プロフ) - ナンだこれ!?(良い方)すごく楽しく読ませて頂きました。赤葦くんと上手くいってよかったあアアアアアアアアア! (2018年12月26日 20時) (レス) id: 12a2cd90a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:コゲパンです。 | 作成日時:2018年5月6日 14時

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