完璧少女.19 ページ22
一応冷静(?)になったとはいえ、何をするかわからないから、臨戦体勢をとっておく。
普段の走りからは想像できない不自然な女の子走り。
手には、キャップが空いている水っぽいペットボトル。
________まさか!
「それは止めた方が…!」
わざとらしく転けた北野さん。
手から放たれた水は彼らのズボンに容赦なく降りかかった。
二人の男のズボンは、まるでヤラカシタ幼児のように色が濃くなってしまった。
「すいません!すいません!」
台詞だけ聞くとすごい謝っている子だろう。
その実、笑いながら何枚もの写真を撮っている。
恐ろしい。
「お前、何してくれてんだ!!」
一人が胸ぐらを掴んで持ち上げた。
流石に北野さんは、先程までのようには笑っていない。
「……お願いがあります。
この写真ばらまかれたくなかったら、ここでの悪さを止めてください。
三年一組の先輩方。」
それはお願いというより取引に近い。
呆然とするヤツらに、いつも以上の饒舌で詰め寄る。
「確か先輩方、大会前なのに問題行動をして、部活停止中でしたよね?
これ、監督さんや主将に見せたらどうなりますかね。
なんなら新聞部に実名付きで提供しましょうか。
さぞ面白いことになりますよ。」
自分より体躯の小さい北野さんの威圧はすごいものだった。
存在感が桁違いなそれに恐怖をなしたのか、ヤツらは取引を承諾して逃げてしまった。
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斉賀(プロフ) - ナンだこれ!?(良い方)すごく楽しく読ませて頂きました。赤葦くんと上手くいってよかったあアアアアアアアアア! (2018年12月26日 20時) (レス) id: 12a2cd90a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コゲパンです。 | 作成日時:2018年5月6日 14時