完璧が邪魔をする【赤葦京治】 (ページ13)

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完璧少女.10 ページ13

「君に負け続けて今日で１ヶ月…！
今日こそお腹を触らせてもらう…！

出でよ、光太郎！！」

そう言うと、少年マンガでよく見る召喚のポーズをキレキレの動きで決めた。

……何やってんだ。

呆れ半分、ズッとストローを通してオレンジジュースを喉に流す。

流石に木兎さんは現れないだろう。

「ヘイヘイヘーーイ！俺参上！！」

現れた。しかも、頭には何故かウサミミとネコミミのカチューシャを着けている。

思わずジュースが気道に入った。むせている間も二人の闘いは続く。

「……このままではまた今日も……！」

「…ヘイヘイ」

どうやら追い詰められているようだ。
事実、猫は煮干しを口にくわえている。

「こうなれば最後の手段。光太郎の特別召喚で……勝つ！！お願い、光太郎。」

「ヘイヘイヘーーイ、……えっと……あっ、赤葦。赤葦召喚！」

アノ人、とりあえず近くに居た俺の名前を出したな。

今、二人と目がバッチリ合っている。

輝いている四つの目を見て、どうしても一言だけ言いたくなった。

「学校ですよ。」

「……ここは学校なんですよ。」

言い終わるが早いか、猫は一声鳴いて何処かへ行ってしまった。

残ったのは、俺とテンションの低くなった北野さんと木兎さんだけだった。

校舎を通り抜けてきた風の音が、やけに大きく感じた。