星6つ ページ6
.
見渡す限りの青に、任務だと分かっていても、少しワクワクした。
二日間歩き続けて着いたのは漁業を生業としている村だ。
「綺麗……」
思わず声が漏れる。
眩しい砂浜は歩くと心地が良さそうで、裸足で砂を踏んでみたいと思う。
海は今まで見た中で一番綺麗だ。きっと水の中も綺麗なんだろう。
「あのさ、いつまでそうしているつもり?」
後ろから掛けられた声に、私の心は鉄壁を築いてしまう。
声の主なんて分かりきっている。
ここに来る途中でばったり会ってしまったからだ。
「僕たちは遊びに来たわけじゃないんだけど。」
「分かってますよ。霞柱さん。」
二回連続、柱との合同任務。
普通に考えたならば、何かしらの重大な理由があるのだろう。でも、こればかりは断言出来る。重大でもなんでもない。
私と霞柱の時透さんが揃えられたのは、仲直りさせようという周りの大人の計らいだ。
「今回の任務で何か指示はありますか?」
「前回の時みたいなことはしないで。」
「……ちょっとそれは無理ですね。」
心底無理そうな声でそう言うと、時透さんは「あぁ、そう。」とだけ残して波止場に向かう。
すぐ忘れてしまうとか言っていたのに、どうして私の事は覚えてるんだと心の中で悪態をついて、彼を追った。
今回の任務は、この漁村からしか出ていない船に乗り、離島に出没する鬼を倒すことだ。
元は人口の少ない島だったのだが、観光名所として人気になると、多くの観光客が訪れるようになった。
しかし、その半分は行方不明になっているらしい。
どれ程の実力を持っているか、どれ程人を喰べたか分からない点から、私と彼が選ばれたのだろう。
本人からしたら、不安しかないこの組み合わせ。二人と、他の乗客を乗せた船は、真っ直ぐに離島へ向かっている。
121人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
☆カペラ★ - こんばんは、これめっちゃ良い話ですね!ハマりました!!時透君カッコいい!!更新頑張ってください! (2020年1月14日 21時) (レス) id: 04526cdaa3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:コゲパンです。 | 作成日時:2019年9月7日 23時