星1つ ページ1
昨夜の星は綺麗だった。
きっと、こんな日なら少しくらいいい夢が見られるだろう。
そう思って寝た。
結果としていい夢は見られなかった。
あまりに悪い夢で、叫びながら起き上がった。
汗でベトベトの体が気持ち悪い。
隊服に袖を通していると、鎹鴉が落ち着いた声で次の仕事を告げた。
「南南東、南南東、新人が困っている。よかったら応援に行って欲しい。」
「新人?……ああ、もうそんな時期なのね。わかった、すぐ行きます。」
鎹鴉のカラちゃんにそう答えると、満足そうに頷いた。
髪を結い、日輪刀のうち普通の大きいものを腰に、短刀を懐に忍ばせる。
家主のお婆さんにお礼を言って、藤の花の家紋の家を出た。
「新人。新人かあ。今までこんな連絡来たことないから驚いたな。」
新人とは言っても、藤襲山で7日間生き残った訳だから入隊してすぐに助けが必要になるとは思えない。
もしかして、運悪く十二鬼月と遭遇でもしたのか?
歩いていた足は気づいたら走り出していた。
「ここだよ。」
カラちゃんがそう言う。
私は今までカラちゃんの道案内を間違えていると思ったことは無かった。けど、今回は間違いであってほしい。
「新人が困っているってこういう事?」
目の前の光景を疑う。
遠目からでもわかる、可愛らしい顔立ちの少女。そして、その子に泣きながら縋り付く金髪の少年。時々「結婚」だの「助けて」だの聞こえてくる。
「これが、新人か……」
カァとカラちゃんが鳴く。返事、今は欲しくなかった。
正直、逃げたかったけど、少女は本気で嫌がってるみたいだし、仕事だしやるしかない。
「ねぇ、君。」
声をかけると金髪の少年はこちらを見た。
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☆カペラ★ - こんばんは、これめっちゃ良い話ですね!ハマりました!!時透君カッコいい!!更新頑張ってください! (2020年1月14日 21時) (レス) id: 04526cdaa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コゲパンです。 | 作成日時:2019年9月7日 23時