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星38個 ページ38

時透視点




「無一郎君は、Aちゃんのことをどう思っているの?」






何ヶ月前のことだったっけ。
甘露寺さんと偶然会って、最近のことについて話してた時に確か言われた言葉だ。




その時は質問の意味が分からなくて首を傾げていた。
でも、今は少しだけ思うことがある。





Aが任務に行ってから一日。
一人でいる屋敷は自分の立てる音以外しない。それが少し寂しいと思った。





任務が一緒のことが多くなっていて、一人で過ごすことが圧倒的に少なくなっていたからかもしれない。





声が出せなくなった彼女は、たくさんの音を身にまとっていたから、音がしないだけで、一人だということを嫌でも思い知らされた。






思っているより、Aの存在が僕の中で大きくなっていたみたいだ。






___Aちゃんのことをどう思っているの?






「……そんなの、僕の方が聞きたいよ。」






ずっと分からないでいた。
僕はAのことを好きなのか、嫌いなのか。
なんで、彼女の声が出ないとわかった日、一緒に行動することを「問題ない」と言ってしまったのか。




たまに心臓のあたりが痛くなるのはなんでなのか。






一人で考えても答えは出ないけど、誰に相談していいのかも分からないから悩むしかできない。






ため息をつくと、鎹鴉が心配そうに近寄ってきた。「なんでもないよ」と言う代わりに、頭を撫でる。そうすると、鴉は嬉しそうに声を出した。






Aはいつ任務から帰ってくるんだろう。
夕餉を作っていたら彼女は喜んでくれるだろうか。






「美味しい」




そう言って微笑む彼女の顔が簡単に想像できた。
実際にそんな反応をしてくれるのかわからないけど、喜んでくれるかもしれないなら作ろう。





夕餉が作り終わった頃、鎹鴉が鳴いた。
伝令は、任務に行ったAについて知らせるものだった。

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☆カペラ★ - こんばんは、これめっちゃ良い話ですね!ハマりました!!時透君カッコいい!!更新頑張ってください! (2020年1月14日 21時) (レス) id: 04526cdaa3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:コゲパンです。 | 作成日時:2019年9月7日 23時

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