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タルト.38 ページ38

『今回もたぶん大丈夫!!』



頭の中で昔言われた時の声と重なった。
無責任で確証は無くて、そして俺のことを信じてくれている言葉。中学の頃も死ぬほど嬉しかったけど、今でも変わらず嬉しい。






胸がじんと暖かくなるのを感じた。
応援するのが死ぬほど苦手で、お世辞すらも滅多に言わないAだから、きっとこんな嬉しいんやろう。




「ありがと」と言おうとした時、自分の顔が彼女の人体部位のどこにあるかを理解した。




顔から火がでそうな程、熱が集まるのがわかった。
彼女の表情を伺う。




もし、Aがまだ気づいていないならもう少しこの幸福(一歩間違えるとデッド・オア・アライブ)を味わえる。




下から見た彼女は、よくわからない表情をしていた。強いて言うなら無表情。




「さて、もう大丈夫そうだから離れて。」



「お、おん。」



こっちを見もせずにスタスタと歩き出すA。後を追っかけて並ぼうとすると、彼女は走り出した。




運動神経がいい方だからって、普段から部活で走りまくっとるヤツに勝てる訳無く、一分もしない内に捕まえられた。




「いきなり走り出してどうしたん?」





「あの、アレ、身長に栄養が行っただけだから……。」



見えたAの顔は耳まで真っ赤で、それが何を意味しとるのかは簡単に分かった。




「本来はもっと大きくなる予定だったはずだし、小さく感じたかもしれないけど男性の想像と実際は違うと言うか……!」




「もしかして、意識したん?」



そう聞くとグッと黙りこんでしまった。少し図々しかったかと思っていると、彼女の顔が若干上下に動いた。





「そ、れはまあ、もう子供じゃないし……。」




さっきまでの必死さは何処へやら、今度は預かった猫みたいにおとなしくなった。




いつもよりコロコロ変わる表情。まるで小学校の頃のAに戻ったみたいや。
だから、俺もつい小学校の時みたいに後先考えず口から言葉が滑り落ちた。




「ほんま好きやで。」



しまったと思っても後の祭。
目の前のAは間抜けな声を出してマフラーで顔を隠した。

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ぬーすけ(プロフ) - 初コメ失礼します。更新順で巡ってたら、惹かれる作品に出会いました。宮くんが可愛いです。更新大変だとは思いますが頑張ってください(*^^*) (2019年1月27日 1時) (レス) id: af92ea114b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:コゲパンです。 | 作成日時:2018年12月24日 14時

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