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タルト.24 ページ24

昼休み、早足でどこかへ駆け出したAの背中を見送った。



とりあえず、ほとぼりが冷めるまで弁当は別に食べることが昨日決まったことやった。



弁当を開けて、いつもなら真っ先に無くなる卵焼きを時間を掛けて食べる。
昨日、北さんが言っとったことを思い出した。



というのも、北さんがAの変なところに気づいて、「アイツどうしたん?」と聞いてきたから、話が始まった。




俺が、「Aは大人みたいや。」と言うと北さんは少しだけ黙ってようやく口を開いた。



「お前、何にも見えてないんやな。」



たったそれだけを言って、自分のロッカーの前まで戻っていった。




ああ、もう、本当に腹立つ!!
荒々しく自販機のボタンを押す。ガコンと音をたてて落ちてきたペットボトルを開けた。



たった一、二週間しか関わっとらん北さんにアイツの何がわかんねん。




いつも自分のためには怒らんアイツが大人やなかったら何になるん?
今回彼女が怒ってるのも、俺らが巻き込まれたから。



本人じゃないのに、『カンニング野郎』には腹が立った。
彼女はもともと頭は良かったけど、更にもっと勉強しとる。その努力が否定されたみたいやった。




「こうなったら、ヤケや!もう一本買って飲んだるわ!」



中庭のベンチを独り占めして、まだ冷たいペットボトルを開ける。
喉に流れ込む人工甘味料特有の甘さ。飲み終わる頃には、イライラなんて炭酸と一緒に流れてしまっていた。




残りの時間をここで寝て過ごそうかと、ベンチに寝転がる。ちょうどそのタイミングを見計らったみたいに、携帯の着信が鳴った。




ディスプレイを覗くと、Aの文字が表示されていた。通話では無く、メール。



何かが添付されていたけど、よく読まずに本文を先に見ていた。



『今から、ちょうど真上を撮影して。』と簡潔な文章。




人使いが荒い。せめて理由も付けてくれればエエのに。
渋々カメラを真上、空き教室の方に向けた。




開けられとる窓から、何か言い争っとる声が聞こえてくる。
写真やなくてムービーが良いかもしれん。



切り換えると、誰が空き教室に居るのかわかった。
佐伯グループとAや。



全身から血の気が失せるのがわかった。
世界がスローモーションになったみたいに感じられた。

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ぬーすけ(プロフ) - 初コメ失礼します。更新順で巡ってたら、惹かれる作品に出会いました。宮くんが可愛いです。更新大変だとは思いますが頑張ってください(*^^*) (2019年1月27日 1時) (レス) id: af92ea114b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:コゲパンです。 | 作成日時:2018年12月24日 14時

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