荒北靖友の苦悩 ページ6
Aが便所に向かうと、オレはズルズルと自分の元々座っていた場所に戻って突っ伏した。
「わかりやすく落ち込んでるな、靖友」
「っせ」
「本当に好きだったのか、Aのこと」
「違ぇって」
「荒北、Aが好きなのか」
「…福チャァン、話聞いてたかァ??」
無表情で色恋沙汰の話をする福チャンは猛者だと思う。
横のやつなんか、これでもかというくらいニヤけてんのにヨ。
「靖友、Aに会いたいって言ってたじゃないか」
「ハァ??言ってねぇだろ。連れてこいっつったんだ」
「それ、同じだろ」
靖友が恋かー、なんて呑気に言ってくる新開がうぜェ。
好きっつー感情なんか持ったことねぇからわかんねぇけどヨ、気になるだけっつーか、このワケわかんねぇ感情をはっきりさせたかった。
未だにわかんねぇケド。
「ま、靖友はもうちょっと女子の勉強した方がいいな」
女子の勉強って…。
どこでどうやんだヨ、そんなモン。
「あれじゃあ怖がらせるだけだぜ??」
「あ゛??相手が勝手にビビってるだけだろ」
「でもAはビビらせたくないだろ??ま、Aがそのままの靖友を好きになれば問題ないけど、あれじゃあ無理そうだしな」
あ、戻ってきたと新開が声を抑えて言う。
オレはアイツが入れてくれたベプシを飲み込んだ。
Aはオレの横に座るが、さらにオレとの間をあけていた。
オレは横目で彼女を見るが、Aは下を向いていてオレの視線には気づいていないようだ。
「尽八、もうすぐ着くってさ」
新開のスマホが鳴ったと思ったら、東堂からの連絡だったらしい。
それから5分程度で東堂が来た。
「遅れてすまないな!!」
こいつも相変わらずうるさかった。
「むむっ!?女子がいるではないか!!」
東堂は目ざとくAを見つけ、指さすやつをやっている。
おめーもまだそんなことしてんのかヨ。
全く変わっていなくて呆れた。
ダサカチューシャも健在だ。
Aがオレにしたように自己紹介をしている。
新開が元総北のマネージャーなんだと付け加えると、東堂の目が光った。
「総北…だと!?巻ちゃん!!巻ちゃんとは連絡を取れているか!?Aさん!!」
東堂はAの肩を持って揺さぶっている。
「うえっ!?まっまき??」
どうやらAは誰のことを言っているのかわからないらしい。
「東堂、座れ」
あまりにうるさかったのか、福チャンが口を出した。
東堂はAを引き連れてオレの隣に彼女を押し込み、自分はその隣に座った。
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桜音姫(プロフ) - 完結になってますけど、BADENDってことですか? (2018年9月14日 18時) (レス) id: 1b05663279 (このIDを非表示/違反報告)
poipoiaya(プロフ) - ひかるさん» いつも読んでいただきありがとうございます!!今回も楽しめるように精一杯頑張ります(^-^)よければ最後までよろしくお願いします!! (2017年11月22日 17時) (レス) id: 48d81e0108 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - こんばんは^^更新お疲れ様です^^今回も楽しく読まさせて頂いています♪今後の展開楽しみです^^無理せずに更新頑張って下さい♪ (2017年11月22日 0時) (レス) id: 3d465a31eb (このIDを非表示/違反報告)
poipoiaya(プロフ) - わかばさん» コメントありがとうございます!!拙い文章を読んで頂いて嬉しいです!!励みになります♪これからも更新頑張りますので、よろしくお願いします(^O^) (2017年11月4日 14時) (レス) id: 48d81e0108 (このIDを非表示/違反報告)
わかば(プロフ) - 2話しか読んでませんがとてもドキドキしました。今後の更新楽しみにしております! (2017年11月3日 22時) (レス) id: e0dcf6ed7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:唖耶 | 作成日時:2017年11月3日 19時