感謝の伝え方 ページ16
ワケわかんねぇイライラと共に、無言でAの家まで歩く。
いつの間にか景色は住宅街。
少し前を歩いていた彼女は、ピタリと足を止めた。
「家、ここだから」
そう言われて見上げると、そこには一軒家が建っていた。
「おまえ、1人でこんなとこ住んでんのォ??」
「昔は家族で住んでたけど、私だけ戻って来たから」
あー、ナルホド。
「今日はありがとう。色々巻き込んでごめんね。何かお礼させてもらえる??」
礼なんかいらネっつったのに、それじゃ私の気がおさまらないだの夜ご飯まだだから食べていかないかだのお願いしますと頭を何度も下げられて、オレは舌打ちしながらわーったヨ…とどんなお礼してくれんのか期待半分、面倒くささ半分でいた。
「これから夜ご飯作るからよかったら…」
あるものでしかできないし、味の保証はできないけど、と付け加えていたがそこじゃねェ。
1人で住んでる女の家に、今日会ったばっかの男を家に入れるのかって話だ。
警戒とかそんなモンないわけェ??
そんなんだから痴漢なんざにあうんだろ。
「…おめー、オレが男だってわかってんのか」
オレなりにやんわり言ってやる。
「え??うん??女の子には見えないけど」
「そうじゃねェ!!」
こいつ計算か!?って思うほどマヌケな答えが返ってきて、オレは頭を抱える。
オレに対して計算してなんになる、という考えにたどり着いてそれはないと判断した。
こいつは金城が好きなんだから。
不思議チャン、決定だな。
ま、初っぱなからがっついたりしねぇけど。
オレは誘われるまま、こいつの家に入った。
1人で一軒家を掃除するのは大変だろうに、結構キレイにされていた。
リビングに通されて、テーブルの前に座った。
「靖友くん、何か食べたいものある??」
「あ??言ったら作ってくれんのォ??」
「私に作れるものなら」
「んじゃ、唐揚げェ」
ちょうど鶏肉があるから大丈夫、とオレに鶏肉を見せてきて、Aはエプロンをつけながらまたキッチンに移動した。
おー…マジか。
オレのテーブルからはキッチンが見える。
そこに頬杖をついて、こいつを眺めていた。
っつっても、彼女は背中を向けているので顔ではなく後ろ姿なわけだが。
「…なァ、金城のどこが好きなのォ??」
オレがその背中に向かって質問を投げかけると、Aは動揺したようにガチャガチャとキッチンから大きな音を立てる。
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桜音姫(プロフ) - 完結になってますけど、BADENDってことですか? (2018年9月14日 18時) (レス) id: 1b05663279 (このIDを非表示/違反報告)
poipoiaya(プロフ) - ひかるさん» いつも読んでいただきありがとうございます!!今回も楽しめるように精一杯頑張ります(^-^)よければ最後までよろしくお願いします!! (2017年11月22日 17時) (レス) id: 48d81e0108 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - こんばんは^^更新お疲れ様です^^今回も楽しく読まさせて頂いています♪今後の展開楽しみです^^無理せずに更新頑張って下さい♪ (2017年11月22日 0時) (レス) id: 3d465a31eb (このIDを非表示/違反報告)
poipoiaya(プロフ) - わかばさん» コメントありがとうございます!!拙い文章を読んで頂いて嬉しいです!!励みになります♪これからも更新頑張りますので、よろしくお願いします(^O^) (2017年11月4日 14時) (レス) id: 48d81e0108 (このIDを非表示/違反報告)
わかば(プロフ) - 2話しか読んでませんがとてもドキドキしました。今後の更新楽しみにしております! (2017年11月3日 22時) (レス) id: e0dcf6ed7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:唖耶 | 作成日時:2017年11月3日 19時