タテマエ ページ13
Aは新開に何か返信をして、スマホをしまおうとすると再びバイブ音が鳴る。
今度は電話のようだ。
「もしも」
もしもし、と言おうとしたAの声は相手によって遮られたようだ。
『Aちゃん!!聞いてくれ!!また巻ちゃんが電話に出てくれんのだ!!折角Aちゃんと会ったことを報告しようと思ったのにだぞ!?』
Aはでかい声に驚いて、自分の耳から少しスマホを離すと、オレにも内容がはっきり聞こえるくらいのボリュームで喋る東堂。
「そうなの??じゃあ今度私からも裕介くんに連絡、…あっ」
オレはAから彼女のスマホをつまんで奪い取る。
「うっせーぞォ、東堂」
『む!?その声は荒北か??なぜAちゃんと一緒にいる!!』
「っせーな。新開に押し付けられたんだヨ」
『女子がいる前で押し付けられたなど言うものではない!!』
「ヘイヘイ。うぜェから切るわァ」
『おい、待て!!まだオレはAちゃんとっ』と電話口で聞こえたが、オレは終話ボタンを押してAにスマホを返す。
「……すみません」
「…ハァ??」
自分でもマヌケな声が出たと思う。
こいつがなんで謝ってんのかわかんねぇからだ。
「荒北さん、私と帰るの嫌でしたよね」
あー、さっきの東堂との会話が聞こえてたのか。
色々巻き込んでるし、とAは付け足した。
「別にィ。マジでイヤだったら置いてさっさと帰ってらァ。アレは東堂の手前そー言っただけ。アイツうるせぇからヨ」
それよりおまえの方がオレといんのイヤなんじゃねぇの??という言葉は飲み込んでおいた。
そんなことは見てればわかるってもんだ。
自爆する必要はない。
「つかヨ、それやめろっつったよなァ??」
Aは首をかしげている。
「さっきの話ィ!!」
Aは目をキョロキョロさせて、自分の記憶を探っているようだった。
「……あ。でも何をやめれば…??」
「…さん付けなんか寒ィんだヨ!!」
「あっ呼び方が気に食わないと…」
えーと、じゃあ…さんを付けないで、っていやいや、そんな恐れ多い。
えーと、うーんと。
Aはブツブツ何かを言っている。
オレが言った意味は理解したみてぇだけど。
「じゃあ……荒北、くん??」
「ハァ!?」
ンでそこでソレなんだ!!
「ひっ、馴れ馴れしいですよね、すみません」
オレに怒られたと思っているようだ。
いや、怒ってんだけど、そこじゃねェ!!
109人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜音姫(プロフ) - 完結になってますけど、BADENDってことですか? (2018年9月14日 18時) (レス) id: 1b05663279 (このIDを非表示/違反報告)
poipoiaya(プロフ) - ひかるさん» いつも読んでいただきありがとうございます!!今回も楽しめるように精一杯頑張ります(^-^)よければ最後までよろしくお願いします!! (2017年11月22日 17時) (レス) id: 48d81e0108 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - こんばんは^^更新お疲れ様です^^今回も楽しく読まさせて頂いています♪今後の展開楽しみです^^無理せずに更新頑張って下さい♪ (2017年11月22日 0時) (レス) id: 3d465a31eb (このIDを非表示/違反報告)
poipoiaya(プロフ) - わかばさん» コメントありがとうございます!!拙い文章を読んで頂いて嬉しいです!!励みになります♪これからも更新頑張りますので、よろしくお願いします(^O^) (2017年11月4日 14時) (レス) id: 48d81e0108 (このIDを非表示/違反報告)
わかば(プロフ) - 2話しか読んでませんがとてもドキドキしました。今後の更新楽しみにしております! (2017年11月3日 22時) (レス) id: e0dcf6ed7f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:唖耶 | 作成日時:2017年11月3日 19時