愛 ―30― ページ25
朝。
目が覚めると、あたしは知らない場所にいた。
目の前には…ああ、そうだ。
ここは靖友の実家だ。
目の前の光景は、こいつの胸板だ。
腕はあたしに巻きついていて、身動きが取れそうもない。
顔だけ少し上げると靖友が眠っているのが見えて、手だけ抜け出し、黒髪を触ってみる。
思ったよりサラサラだったそれは、どんな手入れをしてるんだろうと思ったけど、たぶんムカつくことに何もしてないんだろうな。
今度はその髪をツンツンと引っ張ってみる。
あ、やっぱこいつ、睫毛長いな。
目元に手を伸ばそうとすると、その手を掴まれた。
「ちょっとオイタがすぎるんじゃナァイ??」
「あっあんた、起きてたの!?」
「おめーが起きる前からなァ。おかげで寝顔たっぷり拝ませてもらったけどォ」
靖友はニヤニヤと顔を歪ませていた。
「はヨ」
「…おはよ」
あたしは仏頂面で返した。
起きてたなら起きてたって言ってくれよな。
「起きたらおめーがいるっつーのは新鮮」
「でも静岡行ったら毎日だから飽きるんだろ」
「…バァカ。飽きるかヨ」
靖友が上半身を起こしたので、あたしも同じように起こす。
ベッドから出てリビングに行くと、朝食が出来ていた。
それをいただいて、午前中のうちに帰ることになった。
靖友は式の場所と日にち決まったら連絡すっからァ、と言って実家をあとにした。
あたしたちは駅に向かって歩き出す。
「Aは式場どこにしたいとかあんのォ??」
「…特にない」
「ドレスはァ??」
「…なんでもいいけど」
「…おめーちったァ希望言えヨ!!つーかこーゆーのは女の方がこだわんじゃねぇの!?」
うん、まあ大体の女の子はそういうのに夢見るよな。
あたしは少数派だと思う。
けど、そういう女の子もいるでしょ。
「んー、なんか実感わかないってのが本音かも」
「ハッ、そんなモン、式場巡ってりゃ湧いて出てくるだろ」
「…てかあんた、そんな時間あんの??」
受験勉強だってあるし自転車も乗るつもりでしょ、と続けた。
「っせ。作んだヨ」
箱根に着いて、あたしたちはバラバラの家に帰る。
その夜、あたしのケータイが鳴ったのはあいつから。
本文には『見学行くから選べ』とだけ書いてあった。
そこにはいくつかの式場の名前とURLが貼り付けられていた。
てか行動早くない??
あたしはベッドに寝そべりながら1つ1つURLを確認している。
靖友の割には女の子が好きそうな場所がピックアップされていて、あたしのことを考えているんだと少し浮かれた。
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poipoiaya(プロフ) - 桜朱さん» えええっ！そんなお言葉をいただけるとは…！ありがとうございます！またキュンキュンできるよう頑張ります！ (2018年3月23日 18時) (
レス) id: bc50c192a8 (このIDを非表示/違反報告)
桜朱(プロフ) - 最高でした！神作品です！こんないい作品をありがとうございました。物凄くキュンキュンしました！！ (2018年3月21日 21時) (レス) id: 6f7a2e4a1d (このIDを非表示/違反報告)
poipoiaya(プロフ) - ひかるさん» コメントありがとうございます!!待宮セーフですか!?よかったです。。なんだかんだ番外編書くの楽しいのでこちらこそありがとうございます!!もう少し番外編ありますのでよろしくお願いします♪ (2017年10月29日 15時) (レス) id: 48d81e0108 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - 執筆お疲れ様です^^そして、番外編までありがとうございます^^待宮のキャラはだいたいそんな感じで大丈夫だと思います^^ほんと、無理を言ってしまって申し訳ないです^^;楽しく読まさせていただいてます♪無理をせずに頑張って下さい^^ (2017年10月28日 21時) (レス) id: 3d465a31eb (このIDを非表示/違反報告)
poipoiaya(プロフ) - ひかるさん» かしこまりました!!金城はともかく待宮の口調が書けるかビビってますが、大学生の荒北と絡めたり荒北と夢主との絡みを書きたいと思います。これからもよろしくお願いします!! (2017年10月20日 9時) (レス) id: 48d81e0108 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：唖耶 | 作成日時：2017年9月28日 8時
